木村翔
木村翔

 プロボクシングの元WBO世界フライ級王者・木村翔が18日、中国の武漢市で行ったエキシビションマッチが物議を醸している。キックボクサーの玄武と対戦した試合で、玄武が木村を突き飛ばして「反則技」を繰り返すなどラフファイトを連発。第2ラウンドで玄武が木村の足をかけて転ばせると、頭からキャンバスに叩きつけた。セコンドがリングに入って試合はストップ。玄武のKO勝ちとなったが、一歩間違えれば命の危険がある暴挙だった。

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 そもそも、ルール自体が不可解だった。当初はボクシングルールで行われる予定だったが、中国メディア「新浪体育」によると、レフリーはイベント主催者に事前に試合形式及びルールの説明を求めていたが直前まで回答がなく、開始30分前に「中国カンフー対ボクシング」スタイルで行うことを知らされたという。主催者からは書面ではなく口頭で伝えられたため、木村がルールの変更をしっかり認識していたか定かでない。

この異常な試合にボクシング界からは怒りの声が。WBA世界ライトフライ級スーパー王者・京口紘人は19日に自身のツイッターを更新し、「木村翔さんの中国でのエキシビションマッチの映像見たけどなにこれ。足掛けて倒すのはまだ1万歩譲っていいとして、最後の抱え込んでマットに叩き落としたやつなんなの。事故が起きても不思議じゃないぞ」と怒りを露わに。世界3階級制覇の田中恒成も同日にツイッターで、「約20キロの体重差で、反則なんか完全無視の世界。アウェーというかなんというか。木村翔さん戦ってるなー。かなりイラッとする動画。もう帰って来て??ってなる」と不快感を示した。

 現地の中国のSNS上では木村に対し、「木村選手ごめんなさい。こんな見苦しい試合は許されない」、「主催者と玄武が100%悪い。こんなルール変更を知らないし、木村選手も驚いただろう。中国を嫌いにならないでもらいたい」など謝罪のコメントが殺到しているという。

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