キリアン・エンバペの移籍もあるのか?(写真/gettyimages)
キリアン・エンバペの移籍もあるのか?(写真/gettyimages)

 各地で激しい戦いが続く欧州サッカー界だが、この年末で前半戦が終了。後半戦に向けて中断期間に入る(プレミアリーグは現状、中断なく試合が開催される予定)。

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 だが、サッカー界全体がストップするわけではない。むしろクラブのリクルート部門や選手代理人にとっては腕の見せ所であり、水面下での激しい攻防が待ち受けている。そう、ドラマチックな冬の移籍市場がスタートするのだ。

 そこで今回は、1月の移籍市場で注目すべきトップ選手を紹介する。

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■キリアン・エンバペ|PSG

 絶えず移籍が騒がれるフランス代表アタッカーだが、今年の夏にはより具体的な動きが発覚。契約残り1年を切る中、レアル・マドリーは移籍市場最終日に1億7000万ユーロ(約218億円)+ボーナス1000万ユーロ(約12億8000万円)をという巨額オファーを“あえて”提示した。PSGは拒否せざるを得なかったが、すでに6度に渡る選手との延長交渉は失敗に終わっているため、遅かれ早かれ移籍は避けられない状況だ。

 すでに1月に向けた駆け引きも始まっており、10月にレアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長は「1月にはエンバペのニュースがあるだろう。1月1日になってすべてが解決されることを願うよ」と発言。これに対し、PSGのレオナルドSDは「敬意を欠いている」と反撃したが、再びペレス会長は「自分が言ったのは、事情を知るためには来年まで待たなくてはいけないということ。良い関係を築いているPSGには常に敬意を払いながらね」と“口撃”の手を緩めず……。レオナルドSDは「もう止めてくれよ!」と、悲痛な声を上げている。

 一方、本人は繰り返しPSGでチャンピオンズリーグ優勝を目指すと宣言しているため、今季中の移籍の可能性は低いという考えが共通認識となりつつある。だが、奇しくもそのチャンピオンズリーグでは、不可思議な再抽選の結果、ラウンド16で両者が激突することになった。ネイマールの獲得に始まり、リオネル・メッシやセルヒオ・ラモスまで引き入れるなど、近年の移籍市場、ひいては欧州サッカーシーンの中心に座るPSGを、“絶対王者”レアル・マドリー、そしてペレス会長が快く思っていないのは間違いない(スーパーリーグ構想でもその兆候は見られた)。将来的なバロンドールが約束されるこの22歳を保有することは、それだけで対外的に「欧州最高のクラブである」と宣言するようなもの。それだけの価値がある選手だ。この1月、覇権を争う両者による激突が勃発しても不思議ではない。

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負債を抱えるバルセロナのあの選手も…