ソフトバンク・大関友久(左)と日本ハム・今川優馬(写真提供・福岡ソフトバンクホークス /北海道日本ハムファイターズ)
ソフトバンク・大関友久(左)と日本ハム・今川優馬(写真提供・福岡ソフトバンクホークス /北海道日本ハムファイターズ)

 セ・パ両リーグとも若手の台頭が目立った今年のプロ野球。ルーキー以外にも宮城大弥(オリックス)、奥川恭伸(ヤクルト)、佐々木朗希(ロッテ)、紅林弘太郎(オリックス)など多くの選手がチームの主力として活躍を見せた。そこで少し気が早いが、来年ブレイクが予想される選手を期待度順にランキング形式で紹介したいと思う。対象は来年のルーキー以外で、新人王の資格を有する選手とした。今回はパ・リーグ編だ。【セ・リーグ編はこちら→】巨人の“ポスト坂本”も注目の存在! 来季ブレイク期待の若手トップ5【セ・リーグ編】

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5位:森遼大朗(ロッテ・投手・2017年育成ドラフト2位)

 都城商時代は甲子園、九州大会など大きな大会の出場経験はなかったものの、宮崎県内では屈指の投手として注目を集め、育成ドラフト2位でロッテに入団した。1年目は高校時代に負った膝の故障もあって体作りに費やしたが、3年目の昨年は二軍でチーム最多のイニング数を記録するなど順調に成長。そして4年目の今年はイースタンリーグでトップとなる10勝をマークし、オフには支配下契約を勝ち取った。驚くようなスピードがあるわけではないが、高校時代から欠点の少ないフォームで制球力の高さが持ち味。スライダー、フォークなどの変化球も年々着実にレベルアップしている印象を受ける。チーム内の競争は激しいが、二軍での実績は一歩リードしているだけに、一軍の先発ローテーションに加わる可能性は十分にあるだろう。


4位:今川優馬(日本ハム・外野手・2020年ドラフト6位)

 高校時代は故障もあって3年夏に出場した甲子園では控え選手で、大学でも上級生になってから開花した遅咲きのスラッガー。JFE東日本では1年目に都市対抗優勝を経験し、ドラフト6位ながらプロ入りを勝ち取った。1年目の今年は一軍ではわずか2安打、1本塁打に終わったものの、二軍では打率.310、14本塁打と見事な成績を残している。少しタイミングをとる動きが大きい打ち方だが、ボールに角度をつけるのが上手く、とらえた時の打球の速さと飛距離は一軍の主力と比べても遜色ないだけのものがある。引っ張るだけでなく、右方向へも長打を放ち、スイングに柔らかさがあるのも魅力だ。チームは西川遥輝、大田泰示(DeNAと契約合意)と外野のレギュラー2人を自由契約としており、今川にとってはこれ以上のチャンスはないシーズンとなる。来年で25歳と2年目ながら中堅に差し掛かる年齢だけに、これを機に一気にレギュラー獲得を狙いたい。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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ソフトバンクには新たな“育成の星”候補