5人の中からUFC王者は現れるのか?※画像はイメージ(写真/gettyimages)
5人の中からUFC王者は現れるのか?※画像はイメージ(写真/gettyimages)

 今春オープンしたばかりの沖縄アリーナで行われ、盛り上がりを見せた「RIZIN.32」(11月20日)。開催が発表されると、地元・沖縄から修斗フライ級王者・平良達郎の出場が期待されたが、対戦カードにその名を連ねることはなかった。

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 平良は2000年1月生まれの21歳。中学までは野球をやっていたが野球選手としては体が小さく、「そんなにセンスはなかったです」と本人はいう。

 高校では野球を続けなかったため「やることがなくなって(笑)」、高校1年の夏に兄が会員だったTheパラエストラ沖縄に入会する。

 そこから現在まで6年、格闘技の経験はおろか当初はMMA(総合格闘技)の知識も全くない状態であったが、現在までプロ10戦10勝、無敗のレコードを維持したまま今夏に修斗世界王者となっている。

 特筆すべきはプロだけでなくアマチュア時代も完全に無敗。アマ修斗(MMA)だけでなく柔術やグラップリング、アマキック、そしてプロキックにも出場し負けていないという。運動神経は「ちょっといいぐらい」で野球ではセンスがなかったと語った平良だが、格闘技ではその才能を大いに開花させている。

 指導しているのは自身も平良と同じ21歳で修斗王者となったパラエストラ沖縄の松根良太代表。千葉で選手生活を送り、後輩の扇久保博正、岡田遼といった選手を育て上げたが、「(無敗を続ける)そういう選手はこれまで他にいないです。しっかり頃合いを見て試合に出してきたというのはありますが、絶対的に勝負ごとに強いというのはあると思います」と平良について語っている。

 11月6日に南米チリのMMA王者アルフレド・ムアイアドと対戦した平良は右ストレートを効かせると、そこからバックへ回ってリアネイキドチョークで一本勝ち。未知の強豪を寄せつけず1Rで仕留めた。

 これでプロ戦績を10戦10勝とすると、「3年後にチャンピオンになる。戦わせてほしい」とUFCや代表のダナ・ホワイトへ向けツイッターを更新。

 最近は中央アジアからも強豪が登場し始めたフライ級、“神童”那須川天心のように無敗を更新し続けるのか、あるいは負けを経験しさらに強くなるのか、出場だけでなくUFCでの活躍が大いに期待される最右翼だ。

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