今季限りで巨人を退団となった陽岱鋼(写真提供・読売ジャイアンツ)
今季限りで巨人を退団となった陽岱鋼(写真提供・読売ジャイアンツ)

 巨人を退団となった陽岱鋼はどこを新天地として選ぶのだろうか。NPBの球団でもう一花咲かすのか。母国・台湾に凱旋して選手生活の晩年を飾るのか。はたまたその他の道はあるのか。台湾の英雄の選択に注目が集まる。

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 11月25日、巨人が陽の自由契約を発表した。本人から退団の申し出があり球団がこれを了承したという。

 5年総額15億円といわれる契約の最終年だった今季は、一軍出場わずか7試合で打率.143という散々な結果に。今季限りで退団になると予想される中、一部マスコミで来シーズンも球団が再契約する方針ということが伝えられたばかりだった。

 台湾出身の陽は野球留学した福岡第一高から05年の高校生ドラフト1巡目で日本ハムに入団。三拍子揃った外野手として頭角を現し、13年に盗塁王、ゴールデングラブ賞には4度選出されるなど球界屈指の外野手へと成長した。そして17年、巨人へFA移籍した際には台湾メディアも巻き込んで大きな話題となったが、移籍後は思ったようなパフォーマンスを披露できずにチームを去ることになった。

「身体能力は飛び抜けているが身体が耐えきれなくなったのか故障が多発するようになった。110試合に出場した19年も代打出場が多かった。来年35歳という年齢を考えても今のままでは年間通しての出場は難しい。条件面を大幅に下げて契約するNPB球団はあるかもしれないが、プレースタイルを考える必要もあるだろう」(在京球団編成担当)

「明るく真面目で誠実、人間的に素晴らしい。どんな時でも手を抜かずに練習も一生懸命。挨拶もしっかりできるしファンサービスも率先してやる。若手の模範になれる選手なので条件面、本人の気持ちが合うならずっといて欲しかった。残留だと思っていたので寂しい気持ちになっている人は多い」(巨人関係者)

 素晴らしい身体能力を生かした守備などは魅力的だが、巨人での5年間で通算の打撃成績は打率.258、24本塁打、97打点。高額契約なだけに結果を出さなければ風当たりも強くなるのは当然で、人間的に優れていても居場所がなくなってしまうのは仕方がない。

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