「保守団結の会」会合の冒頭であいさつする安倍晋三元首相と自民党の高市早苗政調会長
「保守団結の会」会合の冒頭であいさつする安倍晋三元首相と自民党の高市早苗政調会長

 中国の北京冬季オリンピック開幕まで2か月を切る中、“外交的ボイコット”を表明する国が相次ぎ、岸田政権が対応に苦慮している。

【写真】テレビを見ていて信用できないと思う政治家1位は?

 来年2月4日に北京で開会式、20日に閉会式が行われる北京オリンピック。中国との対立が深まる、アメリカが外交的ボイコットを表明したのに続き、イギリス、オーストラリア、カナダもボイコットすると表明した。

 オリンピックが開催される際には、どの国も政府関係者が開会式などに派遣される。しかし、アメリカ、イギリスなどは政府関係者の派遣はしないとしている。だが、選手たちの参加は変わりなく、1980年のモスクワオリンピックで西側諸国の選手が派遣されなかったような事態にはならない。

「中国との関係で亀裂が深まる、アメリカ。バイデン政権はかねてから中国の人権問題に厳しい姿勢をとっている。そこに中国の有名テニス選手、彭帥さんが元副首相から性的関係を強要されたとSNSに投稿した後に消息不明になるニュースが世界中で報じられたことが追い打ちをかけた。アメリカの対応で当然、同盟国の日本の対応も迫られることになる」(外務省関係者)

 岸田文雄首相は12月7日に首相官邸で「オリンピックや我が国の外交の意義などを総合的に勘案し、国益の観点から自ら判断する。それが我が国の基本的な姿勢です」と述べた。

 アメリカの外交的ボイコットに足並みをそろえるのかどうかについては言及はなかった。

岸田首相は苦しい判断を迫られそうだ」

 自民党幹部はこう指摘する。

 自民党内では、アメリカなどと共同歩調を取るべきだという声が日増しに強まっているのだ。その急先鋒が、安倍晋三元首相、高市早苗政調会長のラインだ。安倍氏と高市氏が顧問を務める自民党の議員連盟「保守団結の会」の会合が8日、開催された。その席上で、高市氏は「アメリカなどと同じく、外交的ボイコットすべき」と声をあげたという。参加した自民党の国会議員はこう明かす。

次のページ
安倍ー高市連合の声の大きさ