阪神のスアレス
阪神のスアレス

 阪神にとっては大きな戦力ダウンだ。守護神として活躍し、2年連続最多セーブ投手に輝いたロベルト・スアレスの退団が決まった。

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 スアレスは今季62試合登板で、1勝1敗42セーブ、防御率1.16。5月の巨人戦で自己最速の162キロを計測した。球威十分の直球に加えてツーシーム、チェンジアップの精度も高く、四球で自滅する心配もない。

「安定感で言えば12球団屈指。今年リーグ優勝を飾っていたら間違いなくMVPだったでしょう。スアレスは阪神に対する愛着があり、メジャー球団の評価が高かった昨オフは残留してくれた。今年はメジャー挑戦を決断しましたが、2年間よく頑張ってくれたと思います。一方で阪神にとっては痛手ですね。あれほどの守護神はなかなか見つからない。新外国人獲得か岩崎優、小川一平などを後ろに回すか…。救援陣の配置にも影響が出るので大きな懸案事項だと思います」(スポーツ紙記者)

 守護神の退団が決まった上に、阪神ファンの心配事がもう一つある。正捕手・梅野隆太郎のFA流出危機だ。今季は勝負どころのシーズン終盤で出場機会を減らすなど、130試合出場で打率.225、3本塁打、33打点。物足りなさが残ったが、得点圏打率.321と勝負強い打撃は健在だった。梅野は数字で表れない貢献度が高い。捕球技術、ブロッキング能力が高く、打撃でも犠打など小技に長けてつなぎ役に徹することができる。今季8盗塁をマークするなど足も速く、走塁技術に優れる。東京五輪で侍ジャパンに選出され、金メダル獲得にも貢献した。

 他球団の首脳陣は梅野をこう評する。

「正捕手が似合う選手だよね。まさに司令塔、扇の要という感じ。阪神は坂本誠志郎もいい捕手だが、梅野がいるからこそ『2番手捕手』として輝く。捕手の能力は技術だけでは測れない。体力を消耗するし、精神的にもすり減る。梅野は阪神という人気球団で正捕手を長年務めて毎日試合に出続けてきた。扇の要としてどっしり座っているのが本来の阪神の戦い方だと思う。梅野を外して坂本がシーズン終盤に良かったから、坂本をそのまま正捕手に据えるというのはちょっと違うかな。梅野が正捕手、坂本が2番手捕手でサポートする形が理想だと思う」

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