伊藤理佐さん(写真/掛祥葉子)
伊藤理佐さん(写真/掛祥葉子)

 すっかりアラフィフが板についた人気漫画家・伊藤理佐さんが、夫で漫画家の吉田戦車さんと娘、2匹との爆笑生活を綴った「ステキな奥さん」シリーズ第4弾『ステキな奥さん ぬははっ 4』が発売されました。2020年から伊藤家にもふりかかったコロナ禍の生活……だけどやっぱりイトウ家の「笑い」は止められない! 日常のおかしみ溢れるエッセーを特別に、本書から一部抜粋してお届けします!

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■こんな時のハンサム

イラスト:伊藤理佐(本書より)
イラスト:伊藤理佐(本書より)

 長野の母(77)が、なんだかもう、庭木の手入れしてて土手から落ちて、もうそれはそれは、大変なことになった。首、胸、腰の骨を折って救急車。お医者さんには、

「車椅子になるかもしれません」

 と、ドラマのセリフみたいなこと言われて、家族どひゃー。家で介護中のおばあちゃん(99)、家事なにもできない父(76)、コロナで動けない(つーか、長野に来てくれるな、と言われた)長女のわたし、&三女の東京組、長野に住む次女(高3、受験生の母……)が一人走り回るという、なかなかの大ピンチ。手術だ、入院だ、おばあちゃんの介護施設の手配だ、お父さんのお弁当手配だ、と、オンライン電話でやりとりの中、聞こえてくる単語があった。

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聞き間違いかと思ったその単語とは?