今季シーズン途中に巨人にトレード移籍した中田翔
今季シーズン途中に巨人にトレード移籍した中田翔

 巨人中田翔にとって“勝負のオフ”がやってきた。選手として来シーズンへ向けた巻き返しとともに、大幅減俸も予想される契約更改も待ち構えている。

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 途中加入にも関わらず、今シーズン低迷した球団のシンボルのような存在になってしまった男は、この先どのようにチーム内で扱われるのだろうか……。

 中田は今シーズン、日本ハムで後輩選手への暴力事件を起こし、その後巨人が引き取る形でトレード移籍した。周囲からの厳しい批判もあった中で入団早々から試合に出場したがシーズン最後まで期待に応えることができなかった。巨人移籍後は34試合に出場し、打率.154、3本塁打、7打点。ヤクルトとのCSファイナルステージでは、3試合目の9回2アウトから代打で出場し、明らかなボール球に手を出して空振り三振。今季を象徴しているような不甲斐ない幕切れとなった。

「良い打者だから大きな期待をしていた。しかし状態が悪いまま時間だけが過ぎチームも下降線を辿った。身体の調子も良くないという話もあったがすべてが上手くいかなかった。今のままでは来年も同じになるからオフの間に心技体をしっかり整えて欲しい。頼れるのは自分しかいない」(巨人OB)

「獲得自体に賛否両論があったのは事実。やってしまったことは良くないし移籍の過程などに納得いかない人がいるのも理解できる。でも結局のところプロは結果で取り返すしかない。結果を出していれば周囲を黙らせることもできたと思うのですが……。来季に関して球団内を含め誰もが注目しているはずです」(巨人関係者)

 前所属の日本ハムが無期限出場停止の処分が下されたのにも関わらず、巨人移籍後は即座に試合に出場した。一連の経緯が明確ではなかったため世間の逆風が吹き荒れた。また高額な旧年俸を引き継いだ契約条件も大きな話題になった。

 中田は今年が日本ハム時代に結んだ3年契約の3年目で、年俸は3億4000万円(以下金額は推定)。巨人は参稼報酬(年俸)期間となる2月1日から11月30日までのうち、移籍決定後の8月20日から11月30日までの103日分を日割り計算して支払うこととなった。巨人が支払う額は約3分の1に当たる約1億1500万円ほどだ。

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単年契約で本人に自覚を持たせないと…