「過去問を制するものは受験を制する」とも言われるほど、重要な過去問対策。しかし、ただ「闇雲にやればいいというわけではない」と、プロ家庭教師「名門指導会」代表・塾ソムリエである西村則康先生は言います。前編では「合格を手にするために、塾や家庭教師の先生を味方につけて出題傾向を一緒に探ってもらう」方法を紹介しましたが、後編では「受験目前、あと10点アップさせる」ために親ができる具体的なサポート法を紹介していきます。

MENU ■塾に任せっきりにしたことを後悔 ■過去問対策に親の小さな「ひと手間」 ■親が注力するべきは、受験校の選定と日程調整

前編「志望校の過去問を解いたら算数『8点』…中学受験・全落ちのピンチを救った親の“戦略”とは」から続く>

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■塾に任せっきりにしたことを後悔

「第一志望校の過去問は、こちらの指示があるまで絶対にやらせないでください!」という塾の先生の言葉を信じ、12月半ばまで全く手をつけなかったというBさん。通常、過去問は小6の9~10月くらいから始めるのが一般的ですが、「第一志望校の問題はもっと実力がついてから」という先生の言葉に疑問も持たなかったといいます。

「でも、いざ第一志望校の最新の過去問を解いてみたら、全く点数が取れなかったんです。模試では合格率60%近くという結果だったので、もう少し手応えがあるかと思っていたのですが、過去問は惨敗。何回やっても合格者平均点に届かず、不安一色でした。もう直ぐ願書を出さなければいけない時期で、動揺することしかできず……。後から聞いた話ですが、同じ塾に通っていた友達のお父さんは、子どもが解く前に過去問を先に確認したらしく、毎年、理科と社会で時事問題が出ていることがわかり、今年のニュースからオリジナルの問題を作成してやらせていたそうです。結局、うちは対策する時間もなく不合格。友達は合格していました」(Bさんの母)

 第一志望校の過去問は、実力がついてきてから解いたほうが自信を失くさずに済む、という考えから、戦略的に最後にとっておくことを勧める塾もあるようです。しかし、「これは賭けのようになってしまうこともあり危険だ」と西村先生は指摘します。

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鶴島よしみ
スローマリッジ取材班 鶴島よしみ

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