巨人・原辰徳監督
巨人・原辰徳監督

 巨人が勝負弱さを露呈して今季を終えた。辛うじてクライマックスシリーズ(CS)には進出したが、ファイナルステージではいいところなく敗退。昨季の日本シリーズに続き一度負けだすと軌道修正できない部分が目立った。

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 レギュラーシーズンでは終盤に10連敗を喫するなど、61勝62敗20分で8年ぶりに負け越しとなった。とはいえ、11月6日からのCSファーストステージでは敵地・甲子園でライバル阪神に連勝。頂点奪取へ勢いがついたようにも見えたが、続く10日からのヤクルトとのCSファイナルステージでは2敗1分で、なすすべなくリーグ優勝を果たしたヤクルト相手に敗れ去った。

「シーズン負け越しとはいえCSに出場できた。日本一になれば批判を黙らせることもできる。CSでは必死に戦うと思っていたが阪神に勝つことで満足したようにも見えた。リーグ連覇を果たしたした後に日本シリーズでは手も足も出なかった昨年までと同様のシーンを見ている感じだった。情けない終わり方を繰り返してしまった」(巨人OB)

「負け始めると止まらない。原辰徳監督の采配が批判されるが経験豊富な中心選手たちが流れを変えられなかったのも原因。シーズン通じて結果を残せず勝負所での貢献度も低かった。チームと同じで調子を落とすと修正できず夏場以降は最悪な状態だった」(巨人担当記者)

 若手の台頭も目立ち始めたが、中核を担うのは投手では菅野智之、野手では坂本勇人丸佳浩岡本和真という球界を代表するトップ選手たち。岡本は打率.265、39本塁打、113打点をマークして本塁打、打点の二冠王に輝いたが他の主力は軒並み本来の出来ではなかった。

 昨年オフにメジャー移籍問題が長引いた菅野は19試合に登板して6勝7敗とエースとはとても呼べない成績。坂本は5月9日のヤクルト戦(東京ドーム)で右手親指骨折した影響もあり打率.271、19本塁打、46打点と物足りない結果に。丸も極度の不振に悩まされ6月に2軍落ちするなど打率.265、23本塁打、55打点と満足のいくものではなかった。

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巨人には“精神的な支え”がいない?