岸田総理の「新しい資本主義」の会議の有識者メンバーに選ばれた渋沢健氏(提供)
岸田総理の「新しい資本主義」の会議の有識者メンバーに選ばれた渋沢健氏(提供)

・正しいすじみちの正義            

・心が清くまっすぐな廉直

・強きが弱きを助ける義侠

・物事をおしきる敢為

・他人に敬意を表す礼譲

 つまり、武士であろうが、騎士であろうが、西洋問わず、人とその人の想いと行動が需要である。人的資本の向上につきるということなんでしょう。

 渋沢栄一が示したような道徳が、従来の資本主義で可視化されることは重視されなかったかもしれません。しかし、「新しい資本主義」では、このような非財務的な企業価値の要素を可視化することが大事ではないでしょうか。今風にいえば、企業価値のインパクトのメジャーメトです。

「そんなの、まさに複雑すぎる・・・」という声が上がるかもしれません。では、もっと簡素な表現で示します。                                  

「信用は実に資本であって、商売反映の根底である。」【渋沢栄一 訓言集 実業と経済】

 インパクト・メジャーメントとは、企業の世の中における信用の可視化です。「新しい資本主義」は、オブラートに包むことなく、日本企業の世界における信用を高めなければなりません。(渋沢健)

◆しぶさわ・けん シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役、コモンズ投信株式会社取締役会長。経済同友会幹事、UNDP SDG Impact 企画運営委員会委員、東京大学総長室アドバイザー、成蹊大学客員教授、等。渋沢栄一の玄孫。幼少期から大学卒業まで米国育ち、40歳に独立したときに栄一の思想と出会う。近著は「SDGs投資」(朝日新聞出版)

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渋沢健

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渋沢健 シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役、コモンズ投信株式会社取締役会長。経済同友会幹事、UNDP SDG Impact 企画運営委員会委員、等。渋沢栄一の玄孫。幼少期から大学卒業まで米国育ち、40歳に独立したときに栄一の思想と出会う。

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