青森山田からJリーグ鹿島でプレーした柴崎岳 (c)朝日新聞社
青森山田からJリーグ鹿島でプレーした柴崎岳 (c)朝日新聞社

 第100回目を迎える全国高校サッカー選手権大会の地区大会が各地で開催。続々と代表校が決定する中、青森県では前回大会で全国準優勝の青森山田が「四半世紀」に及ぶ25年連続(27回目)での出場権を獲得した。

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 県準決勝で記録した22対0のスコアでも話題を集めた“最強チーム”は、全国の舞台でも過去5大会で優勝2度、準優勝2度という好成績で圧倒的な強さを誇示。Jユースも加えたプレミアリーグでも、2016年、2019年と2度の優勝(2020年は開催中止)を果たすなど、高校年代の日本サッカー界を席巻している。そして、これまでに大学経由も含めて実に43人のJリーガーを輩出しているが、意外と「大成した」と言える選手の数は、まだ多くない。

 現時点で最も高い名声を得たと言えるのは、現役日本代表の柴崎岳である。高校1年時から背番号10を背負い、2年時に主力として選手権準優勝を経験したゲームメーカー。2009年のU-17W杯にも出場し、鳴り物入りで鹿島に入団すると、すぐさまチームの顔に成長した。日本代表デビューは2014年9月。2016年クラブW杯での活躍を経て海外移籍を果たした後、26歳で出場した2018年のロシアW杯で日本の新司令塔としてベスト16進出に貢献した。

 その柴崎に次ぐ存在は、2学年下の室屋成だ。高校卒業後に明治大を経てFC東京へ入団して日本有数の右サイドバックへと成長し、2020年からはドイツで奮闘中。森保ジャパンのW杯最終予選メンバーにも柴崎とともに選出されている。しかし、「最強」と呼ばれる現在の青森山田からすれば、A代表入りした選手が2人というのは「少ない」と言える。

 候補者はいた。最初に大きな期待を抱かせたのは、小柄なストライカー、小澤竜己だった。高校1年時から背番号10のエースFWとして名を馳せ、3年時の2005年のインターハイで全国優勝。世代別代表でもU-16代表時代はエースとして活躍し、U-20代表まで常に選出されていた。しかし、プロ入り後は故障に苦しみ、FC東京での2年間でJ1出場は3試合のみ。その後、JFLを経て、タイやラトビア、ポーランドといった国々を渡り歩いている。

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今後“大成”する選手は増えるか