「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。

MENU ■受験科目は2科目に絞ったほうが効果的 ■いきなり長文を読ませると、途端に国語嫌いになる ■子どもの興味を起点に学ぶのがいい

思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。連載5回目の今回は「子どもの好き」を尊重しながら中学受験をしたい、という方の相談です。

【相談5】

安浪:今回のご相談は矢萩さんメインで答えていただかないと(笑)。

矢萩:「普通の私立中学を受験できるほどの頭はない」とおっしゃっていますが、これは4科目の知識問題をガッツリやる、いわゆる従来型の入試は難しい、ってことですよね。

安浪:そうですね。前回お話ししましたが、それに乗ろうとすると、やはり塾選びから大切になってくる。でも矢萩さんが代表を務める「知窓学舎」では探究的な授業をしながら中学受験もできることをうたっていますよね。どのような指導をしているんですか?

■受験科目は2科目に絞ったほうが効果的

矢萩:受験は算数、国語の2科目でいこうよ、という方針を出すことが多いですね。もちろん、理科や社会の中にも探究の種はたくさんあるし、入試に使う、使わないに限らず学ぶことは探究の基本。特にこの方の場合「鉄道」が好きということなので、それをきっかけに社会や算数の能力開発につなげていくことができます。ですから、4科目を学ぶことは止めないにしても、受験自体はいったん2科目に絞ったほうが効果的だと思います。

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安浪京子 矢萩邦彦
安浪京子 矢萩邦彦

安浪京子(やすなみ・きょうこ)/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は『中学受験にチャレンジするきみへ 勉強とメンタルW必勝法』(大和書房)。

矢萩邦彦(やはぎ・くにひこ)/「知窓学舎」塾長、多摩大学大学院客員教授、実践教育ジャーナリスト。「探究学習」「リベラルアーツ」の第一人者として小学生から大学生、社会人まで指導。著書に『子どもが「学びたくなる」育て方』(ダイヤモンド社)『新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本 教育のプロフェッショナルと考える保護者のための「正しい知識とマインドセット」』(二見書房)。

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