シャツの襟を立てたド派手なスタイルで就任会見にのぞみ、インパクト十分の発言で会場を沸かせた日本ハムの新庄剛志新監督(49)。らしさ全開の姿や発言ばかりが目立つが、新庄氏を知る人は、気遣いの人柄や、人の悪口が大嫌いだという、その意外な素顔を語る。

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「優勝なんか一切目指しません」

「監督ってみなさん言わないで。ビッグ・ボスでお願いします」

「僕が帰ってきたからにはコロナはなくなり、球場は満員になります」

 4日の会見で、らしさ全開のコメントを連発した新庄氏。監督には見えない派手な服装と、期待通りの奔放発言に世間は沸いた。

 来季の球界の目玉とも言える新庄監督の就任。フィーバーが起きそうな気配だが、その素顔は“見た目”とはちょっと違うようだ。

 日本ハムの選手時代から新庄氏を知る札幌の知人男性にかつて取材した際、出会う前の新庄氏の印象について、こう話していた。

メジャーリーグ時代の面白おかしい言動をテレビで良く見ていたので、明るいけどちょっとお調子者みたいな方なんだろうと思っていました。悪く言えば、軽そうだなと」

 阪神時代も突然の「引退騒動」を起こすなど、世間を騒がせた新庄氏。阪神からメジャーリーグに渡った2001年、キャンプで取り組んだ練習の感想を問われ、「イミナシオちゃん」との“迷言”を口にしたり、メジャーリーグ初のシーズンを終えた後の会見での「記録はイチロー君に任せて、記憶は僕に任せて」の発言などが面白おかしく報じられてきただけに、この知人がそんな印象を抱いたのも無理はない。ただ、実際に会って見ると、印象が大きく変わったという。

「ひとことで言えば、全然チャラくない、逆にきまじめで気遣いの人とでも言うのかな。とても意外でした。例えば仲間の選手たちと食事をしているとき、お酒が回ると、時には話題が首脳陣の選手起用や采配の批判や文句になることもありました。仕事をしている人間なら誰でも、お酒の席で職場の愚痴が出るのは当たり前にあることなんですが、そういう話題になると、いつもはよくしゃべる新庄さんが必ず黙っているんです。批判がヒートアップしかけると、別の明るい話題を切り出して雰囲気を変えたり、笑顔で『(批判を)もうやめようよ』とやんわり制したこともありました。そんな姿を見ているうちに、ああ、この人は本当に人の悪口や、後ろ向きな雰囲気が嫌いなんだなと。見方が全然変わりましたね」

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