村上隆行氏(c)朝日新聞社
村上隆行氏(c)朝日新聞社

 ソフトバンクは7年間指揮をとった工藤公康監督が今季限りで退任し、今季2軍監督を務めていた藤本博史氏が新監督に就任することが発表された。藤本氏は2011年の2軍打撃コーチから指導者生活が始まり、一軍打撃コーチ、3軍監督、2軍監督と様々なポジションで選手の育成にソフトバンク一筋で携わっていた。

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「10年以上チームを見てきたので選手たちの力を熟知している。柳田悠岐を育てたことで知られていますが、一言で言えば野球に対して誰よりも真面目な人です。選手の長所を伸ばす指導力に長け、厳しさを持ち合わせている。でも頭ごなしに指導するわけではない。選手の意見を聞きながら柔軟に対応する。ソフトバンクは今年Bクラスに沈みましたが、選手個々の能力は高い。うまく若返りを図れば常勝軍団に返り咲く可能性を秘めている。藤本監督は、日本ハムの監督に就任した新庄剛志氏のような派手さはないが、ソフトバンクの新監督に適任だと思います」(スポーツ紙記者)

 ただ、不安がないわけではない。平石洋介、立花義家両1軍打撃コーチが今季限りで退団。平石氏は楽天の監督を務めた19年に前年の最下位から3位に押し上げ、昨年からソフトバンクのコーチに就任後も選手とコミュニケーション能力が高く、指導力が一目置かれていた。この両コーチに代わって1軍打撃へのコーチ就任が有力視されるのが、今季限りで現役を引退した長谷川勇也氏と、今季まで中日で巡回打撃コーチを務めていた村上隆行氏だ。

「長谷川氏が現役引退してすぐに1軍打撃コーチを務めることには驚きました。レギュラー陣の実力を把握していることは理解できますが、指導は別物です。2軍、3軍でコーチとして実績を積んでからと思っていたので意外な人事でした。村上氏は右打者の育成が期待されますが、気になるのは中日のコーチ時代に目立った実績がないこと。もちろん選手がブレークしないのは村上コーチの責任だけではないですが、中日打線は貧打が深刻だったので心配ではあります。松中信彦、城島健司、柴原洋と現役時代に強打者として活躍したOBたちは理論派でも知られていた。招聘してもいいと思うのですが…」(スポーツ紙デスク)

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