10月27日に辻元清美氏の応援に入った山崎拓元自民党幹事長(SNSより)
10月27日に辻元清美氏の応援に入った山崎拓元自民党幹事長(SNSより)

 元自民党幹事長で石原派最高顧問の山崎拓氏が10月27日、衆院選の大阪10区から立候補している立憲民主党副代表、辻元清美氏の応援に駆け付け、波紋を呼んでいる。

【アンケート結果】テレビを見ていて信用できないと思う人1位は?

 JR高槻駅前で辻元氏の演説会に姿を見せた山崎氏は聴衆にこう語りかけた。

「私は自民党の元幹事長でございますので、小選挙区は絶対に辻元清美でありますが、比例区は自民党でおねがいします」

 山崎氏は副総裁、幹事長、防衛庁長官などを歴任し、山崎派(現石原派)の領袖でもあった。1991年には自民党総裁選にも出馬。小泉純一郎元首相、加藤紘一元幹事長と盟友で「YKKトリオ」と呼ばれていた。

 自民党批判で舌鋒鋭い辻元氏を山崎氏はなぜ、応援したのか?

 辻元氏は社民党の土井たか子氏からの要請で政界に入り、1996年の衆院選で初当選を果たしている。当時は自民党と社民党、新党さきがけの自社さの連立政権だった。

 当時、自民党の政調会長だった山崎氏は、新人議員だった辻元氏とNPO法案を一緒に手掛けたことで交友が始まったという。山崎氏は演説の中で辻元氏との交流をこう説明した。

「辻元さんと親しくなったのは、自社さ連立の村山政権時代からです。自民党は改憲政党、社民党は護憲。対立した歴史を踏まえて、自社さ政権で自民党と社民党で調整の難しい安全保障の問題などを私と辻元さんで一生懸命、取り組んだのです」

 山崎氏は改憲論者として知られ、辻元氏は政界入りして以来、一貫して護憲の立場。水と油と言っても過言ではない政治姿勢だ。辻元氏はこう応じた。

「憲法改正の急先鋒の山崎さん、憲法守ろうという辻元とは正反対ですけど立憲主義を守るという考えは同じ。よいことは党を越えてみんなで力をあわせて危機に立ち向かう、おかしなことには立ち向います」

 続けて山崎氏は辻元氏の支援を力説した。

「辻元さんは国会議員25年、いまやベテランだ。今の立憲党首の枝野さんも立派ではあるが、辻元さんは大衆に語りかけ、みんなに愛される行動とエネルギーがある。辻元さんが立憲民主を引っ張った方がいい。党首になれば、立憲民主は伸びる」 

次のページ
麻生副総裁、鈴木宗男氏と鉢合わせ