日本記者クラブ党首討論会で並ぶ9党首(C)朝日新聞社
日本記者クラブ党首討論会で並ぶ9党首(C)朝日新聞社

 衆議院選挙も終盤戦となり、各選挙区で激しい戦いが繰り広げられている。与野党が掲げる主な政策について、争点はどこにあるのか。AERA dot.は、政府が各党の公約について分析した資料を政府関係者から独自に入手した。このなかで、家計の支援にかかわる政策についての評価を紹介する。あわせて、専門家にも各党が掲げる家計支援政策を採点してもらった。「理に適った政策」、「非現実的な政策」はどの政党のどの公約なのか。

【一覧】専門家による各党の政策の採点はコチラ<全2ページ>

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 「総理が総裁選で掲げた看板政策が弱まり岸田カラーが希薄化」

 AERA dot.が政府関係者から入手した資料には、自民党公約についてこう書かれている。一方、立憲民主党の政策に対しては「政権与党時代の教訓を生かすことなく、再び選挙目当ての『バラマキ』政策に走る」「具体策に全く触れない項目が多く、実現可能性に欠ける内容ばかり」と厳しい言葉が並ぶ。政府関係者はこう言う。

「総裁選では『令和版所得倍増』、『こども庁の創設』などと看板政策を掲げていましたが、衆院選の公約に反映されていません。公明党や立憲民主党の公約もバラマキ競争の様子を呈している。非現実的な政策も少なくありません」

 個別の政策についてはどのように評価しているのか。「家計支援」にかかわる政策に絞って、政府の分析を紹介したい。

 まず、与党・公明党は「マイナンバーカードを活用して『新たなマイナポイント』(一人当たり一律3万円相当)を付与」を主要政策の一つとして掲げている。マイナポイントとは、マイナンバーカード取得者が使える電子マネーだ。政府はマイナンバーカードの普及を目的に、指定のキャッシュレス決済を利用した場合、利用額の25%、最大5000円分のポイントが還元される事業に昨年9月から取り組んでいる。公明党の政策は、ポイントをつけることでマイナンバーカードの普及だけではなく、「消費喚起」や「生活の質向上」を狙うという。

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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立憲の政策は「無責任」