立浪和義氏(c)朝日新聞社
立浪和義氏(c)朝日新聞社

 中日はOBの立浪和義氏の来季監督就任が決定的となっているが、「強竜復活」はいばらの道だ。

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 落合博満元監督の下で黄金時代を築いたのは過去の栄光となりつつある。2012年からの10年間でCS進出したのは2度のみ。Bクラスの常連となり、チームは停滞した空気が漂う。

 特に深刻なのが貧打だ。今季のチーム総得点は142試合終了時点でリーグ断トツ最下位の401得点。リーグトップのヤクルトの612得点より200点以上低い。4番・ビシエドは今季が3年契約最終年のため、オフは他球団も獲得に乗り出す可能性が高い。今季は打率.275、17本塁打、70打点と満足いく成績ではないが、そもそも中距離打者で「4番タイプ」ではない。今季は大砲が不在の状況で、相手バッテリーに徹底マークされ、長打を狙うあまり本来のスイングを見失っているようにも見えた。18年に打率.348で首位打者を獲得しているように、本来はシュアな打撃で「安打の延長線が本塁打」という打撃スタイルだ。ミート能力は球界でも指折りだ。退団して他球団流出する事態になれば、大きな戦力ダウンになるだろう。

 スポーツ紙デスクは「既存の戦力を強化するのも限界がある。核になるレギュラーが少ないし、根尾昂や石川昂弥が一本立ちするのも時間がかかる。立浪氏も解説で得点力不足を再三指摘しているように、大幅なテコ入れが必要だと思います。新監督に就任したら大型トレードを敢行する可能性は十分にあるでしょう。打撃で結果を残せていない高橋周平、京田陽太も安泰な立場ではありません」と分析する。

 もちろん、トレードは出血覚悟になる。ただ、現状を打開するためには有効な手立てだ。獲得を狙える人材を見渡すと日本ハム・大田泰示、ソフトバンク・上林誠知、ロッテ・井上晴哉が有力候補か。ただ、トレードだけでは貧打の抜本的な改善策にはならない。

 他球団のスコアラーは、「中日に入る選手たちはアマチュア時代に比べてスイングが小さくなる」と指摘する。

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