※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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 医師が患者の自宅に訪問診療をする「在宅医療」。コロナにより、病院よりも在宅医療を選ぶ患者が増えているといいます。在宅医療は、通院が困難なときはもちろん、認知症や老衰など自宅で最期を望む場合などが対象といえそうですが、「家族に負担がかかるのでは?」「高齢一人暮らしでは受けられないのでは?」といった声もあります。好評発売中の週刊朝日ムック『さいごまで自宅で診てくれるいいお医者さん2022年版 コロナで注目!在宅医療ガイド』では、日本在宅ケアアライアンス事務局長の太田秀樹医師に、在宅医療に関する5つの疑問に答えてもらいました。

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Q1 在宅医療は何も治療をしないのですか?

A.患者の希望をもとに適切な医療をおこないます

 積極的に濃厚な医療を提供しない在宅医療には、何もしない医療というイメージが一部にあるようです。しかし、何もしないのではなく、過不足のない適切な医療を提供します。また、治療方針を在宅医が押し付けることはしません。

本人の思いや希望を聞いて、本人と在宅医とで医療をつくり上げるのが在宅医療です。在宅医の提案する医療と、自分の希望とが違う場合には、自分の意見を在宅医に伝えることが大切です。在宅医の対応に納得できない場合は、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しましょう。

Q2 在宅医療を受けながら自宅で暮らすメリットは何ですか?

A.自分の思いを話しやすく共有してもらえる

 在宅医療の場合、病院に通わないため、待合室で待たされることはありません。自分の暮らしの場で医師と向かい合うので、病院の診察室より緊張しないで、自分の思いを医師に話しやすいといえるでしょう。また、医師が普段の様子や生活環境を見ることになるので、よりよいアドバイスを得られることも考えられるでしょう。

 なお、入院した場合は、食事・睡眠など生活が管理され、自由に過ごすことができず、面会時間も決められており、家族と思うように会えないことも。周囲の目や音が気になることもあるでしょう。

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