阪神・梅野隆太郎 (c)朝日新聞社
阪神・梅野隆太郎 (c)朝日新聞社

 ヤクルトと優勝争いを繰り広げている阪神。「扇の要」として梅野隆太郎が開幕からマスクをかぶり続けていたが、10月12日の巨人戦から坂本誠志郎が8試合連続でスタメン出場している。

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!

  一体何があったのだろうか。

「梅野に疲れが出てきたのでしょう。後半戦に入って精彩を欠いている。打撃で快音が聞かれなくなり、守備面も配球を相手に読まれて痛打を浴びるケースが出てきた。坂本は『第2の捕手』だが、リード面を含めて能力は非常に高い。今は坂本が稼働してチームの状態が上向いてきたが、梅野がチームの中心であることは変わりません。今季国内FA権を取得しましたが、球団はその働きぶりを高く評価している。好条件を出して全力で慰留に努めるでしょう」(スポーツ紙記者)

 今オフにFA権の行使が注目される選手の1人が梅野だ。捕球技術、ブロッキングの能力が高く、14年は出場試合数が規定に達した選手で唯一の捕逸0をマーク。強肩が武器で2019年には捕手でNPB歴代最高の123補殺を記録した。東京五輪では広島・曾澤翼が当初選出されたが、故障により出場を辞退したため、梅野が追加召集されて金メダル獲得に貢献した。チャンスに強く、今季の得点圏打撃は3割を軽く超える。球界を代表する選手としての地位を確立したと言ってよいだろう。

  ただ他球団の捕手事情を考えると、FAで争奪戦の様相を呈するかは微妙な状況だという。

 「梅野は福岡出身ですが、ソフトバンクは侍ジャパンでも正捕手を張った甲斐拓也がいる。同じ関西を本拠地に持つオリックスも中嶋聡監督が伏見寅威、若月健矢をうまく使い分けて首位争いを演じている。他球団を見渡すと、今年は捕手の需要が高いとは言えない。ヤクルトは中村悠平、中日は木下拓哉、広島は坂倉将吾、西武は森友哉と正捕手がいるし、DeNA、日本ハム楽天はFAで捕手の補強に乗り出すと聞いていない。梅野を最も必要としているのが阪神だし、梅野も阪神に強い愛着がある。残留が濃厚ではないでしょうか」(スポーツ紙デスク)

次のページ