放送作家の鈴木おさむさん
放送作家の鈴木おさむさん

 放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、結婚20年目を迎えた夫婦生活について。

【写真】この笑顔。夫婦のことは夫婦にしかわからないというが…

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 先日、妻が「踊る!さんま御殿!!」という番組に出ていた。その回は、いろんな奥様が集まり夫への不満を言いまくるやつです。

 妻は日ごろたまっている不満を、この手のテレビ番組で言うのだが、本当に僕に言ってないやつが多い。つまり僕は番組で知ることが多いのです。今回もそうでした。しかも、かなり痛い所を突いてきます。

 まずは僕が打ち合わせに行くと言って出て行って、帰ってくると酔っているという話。「打ち合わせに行ってなんで酔って帰ってくるんだよ」と。これにはスタジオの奥様方も凄く頷いていました。妻はお酒を飲みません。だから、どうしても理解してもらえないのですが、打ち合わせには色んな種類がありますよね。リモート打ち合わせ。会議室での打ち合わせ。会食しながらの打ち合わせ。お酒を飲みながらの打ち合わせ。

 妻には「会食しながらの打ち合わせ」と「お酒を飲みながらの打ち合わせ」がなかなか理解してもらえません。これ旦那さんあるあるなんじゃないでしょうか。妻からすると「飯食いながら打ち合わせしなくていいだろ」とか「酒飲みながら打ち合わせになんねえだろ」。そして、「打ち合わせと言ってるけど、本当は酒飲みたいだけなんだろ?」と思ってるはずなんです。

 だから、「お酒を飲んで打ち合わせ」のあと、家に帰る時に、僕は酔ってない顔を作ります。なるべく妻に「飲んできたの?」と思われないような顔を作っているつもりでした。

 そして「また飲んできたの?」と言われた時には、本当は5杯以上飲んでいるときも「うん、2杯だけ」と小さな嘘をついてしまいます。一杯だと嘘過ぎるだろと思って、3杯減らして2杯にする。

 僕と妻は結婚して20年。子供は6歳。子供には嘘をつくな!と教育しなきゃいけない立場なんですが、夫婦生活はこういう小さな嘘で結構回っているものです。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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