コロナ渦で急速に教育のデジタル化が進みました。文部科学省の「GIGAスクール」構想により、全国ほとんどの小中学生にタブレット端末が支給されています。自治体や学校によって、使い方や頻度、制限の幅は違いますが、今まで親の管理下でスマホやパソコンを使用させていた家庭では、新たな子ども専用ツールが増えたことで「目が行き届かなくなった」と不安を感じていたり、思わぬトラブルに巻き込まれて現状を知った、という声も聞かれるようになっています。現場の先生や親たちの声を紹介します。

MENU ■男子が目の色を変える「ゲーム」「漫画」「アダルトサイト」 ■大人の想像を超える子どもたちの情報ネットワーク ■ルールは子どもを制限するために作るのではない

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■男子が目の色を変える「ゲーム」「漫画」「アダルトサイト」

「担任をしている中学1年生の男子がアダルトサイトなどに何度もアクセストライをしようしたようで、フリーズしてしまい、本来やらなければいけない宿題ができなくなったと申し出がありました。『見たい』という気持ちは否定できないので、『グラビアのお姉さんを見ようとしなかった?危ないサイトだとウイルスにかかって大変なことになってしまうよ』と、少々遠回しに注意をしました」

 東京都内の中学校に勤務する女性教諭はこう話します。この学校では生徒に端末を持ち帰らせていますが、自宅でアダルトサイトにアクセスしていたそうです。

 実際に学校で起きているタブレットにまつわるトラブルを、現役の先生たちに聞いてみたところ、ほかにもこんな実例が上がりました。

・授業中、隠れて電子漫画を読んだり、プログラミング授業に使う「スクラッチ」というサイトでゲームをしたりしている生徒がいる。(中学2年男子の例)
・今まで仲良く遊んでいたはずの4人組のうちの一人が、学校で孤立していることに気づき、ヒアリングをしたところ、チームで敵と戦うオンラインゲームをしていたことがわかった。その際に3人から「お前弱い」「ちゃんとやれ!」というような煽りコメントを浴びせられ、学校生活での関係にもヒビが入ってしまった。(小学6年男子の例)
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鶴島よしみ
スローマリッジ取材班 鶴島よしみ

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