都道府県魅力度ランキング(画像は「ブランド総合研究所」公式HPより)
都道府県魅力度ランキング(画像は「ブランド総合研究所」公式HPより)

 二つ目は、5段階の回答で集計している点だという。

「昨年のランキングを見ても、北海道など上位の自治体は明らかな点数の差がありますが、20位あたりからは点差が少ないんです。こういうアンケートは必ず誤差が生じますから、点差が大きい上位だけを公表するのはまだ良いとしても、点差が少ないその下の自治体を、細かく47位まで示す意味がどこにあるのでしょうか」(同)

 今年の1位は北海道で73.4点、2位の京都は56.4点で17点差、5位の大阪府は42.0点で1位とは31.4点開いている。だが、下位30自治体は15点差以内、下位20自治体に限ってみれば10点差以内に収まっており、差は確かに小さい。

 そして最後の問題点をこう説明した。

「三つ目は、結果に対する生データが示されていないという点です。なぜそういう結果になったのか、原因の部分が示されていないので、県としても何をどう評価されているかが分かりません。ランキングを参考にしようがないんです」(同)

 これが、山本知事が激怒した理由のようだが、法的措置についてはあくまで検討段階で、具体的な手法や、実際に法的措置をとるかについても決まっていないという。

「多くのメディアに報じられているランキングですので、影響力はあります。怒っている県民の方がいることもあり、まずはランキングの実態を周知し、問題提起することが第一の目的だと考えています」(同)

 県に寄せられた地元民の声やネットでは「群馬県民に失礼だ」と怒りの声がある一方で、「知事は器が小さい」「あんなランキングに意味はない」「法的措置までしなくても」という知事の姿勢への疑問の他、「これを機に県をアピールすれば良い」という前向きな声もある。

 ランキングの順位に怒った首長は以前もいた。

 昨年、初の最下位になった栃木県。県の関係者からランキングの信用性に懐疑的な見方があり、福田富一知事がブランド総合研究所をわざわざ訪問して、評価項目などの変更を求めた。その一方で最下位を逆手に取り「47(そこ)から始まる栃木県」と題し、ゆかりの著名人らを起用したPR作戦を展開した。

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調査会社の社長は「驚いています」