巨人・原辰徳監督 (c)朝日新聞社
巨人・原辰徳監督 (c)朝日新聞社

 ベンチから引き上げる選手たちの表情は硬かった。巨人が5日からの首位・ヤクルト3連戦で同一カード3連敗を喫すると、続く広島にも敵地・マツダスタジアムで3連敗。9月以降は8勝20敗6分と大きく失速し、リーグ3連覇は絶望的な状況となった。

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「ヤクルトに3連勝すれば逆転優勝に望みはつなげたが、3連敗で張り詰めていた糸が完全に切れてしまったように感じます。打線を引っ張ってきた3番・坂本勇人、4番・岡本和真の当たりが止まってしまい、チャンスすらなかなか作れない。捕手も大城卓三、小林誠司、岸田行倫で回しているが、なかなか固定できない。他球団は先発陣を中6日で回しているが、巨人は中4、5日で回している。この試みが決して悪いとは思いません。前半戦は救援陣が登板過多になったので、ベンチ入りの人数を増やせば負担を軽減できる。ただ、今まで中6日で投げていたのがシーズン途中から中5日に間隔が狭まったことが影響しているのか、先発陣のパフォーマンスが落ちているようにも感じる。高橋優貴はシーズン通して1年間投げるのが初めてなので疲労もあると思います。負のスパイラルから抜け出せない状況ですね」(スポーツ紙記者)

 シーズン終盤では異例の首脳陣の配置転換も、現時点では功を奏したとは言えない。5日のヤクルト戦から阿部慎之助2軍監督が1軍作戦コーチ、二岡智宏3軍監督が2軍監督代行、石井琢朗1軍野手総合コーチが3軍コーチにそれぞれ配置転換されたが、5日から始まった6連敗中の総得点が6得点と貧打が深刻だ。

 明るい材料が聞こえてこないなか、日刊スポーツが10日付けの紙面で原辰徳監督が来季続投する方向で調整していることを報じた。来季もタクトをふるえば、通算16年目の長期政権となる。

「リーグ優勝9度、日本一3度の手腕は申し分ない。今年はエース・菅野智之が度重なる故障で戦線離脱、丸佳浩が打撃不振、補強した外国人3人が全員途中帰国と誤算が相次いだ中、原監督の采配で白星をつかんだ試合が多かった。続投が基本線になるでしょう。次期監督の最有力と目される阿部コーチがシーズン終盤の大事な局面で1軍作戦コーチに配置転換されましたが、原監督の哲学を学んでほしいという思いがあるのではないでしょうか。阿部コーチに託せると原監督が決断した時に禅譲するタイミングになると思います」(スポーツ紙デスク)

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