今季はマリナーズ、レイズで安定した投球を見せた元楽天のJ.T.シャギワ (c)朝日新聞社
今季はマリナーズ、レイズで安定した投球を見せた元楽天のJ.T.シャギワ (c)朝日新聞社

 今季のメジャーリーグは“二刀流”として大活躍した大谷翔平(エンゼルス)一色となったが、その傍らでかつて日本のプロ野球でプレーしたものの、結果を残すことができなかった、いわゆる“ダメ助っ人”たちの飛躍も目立った。

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 野手では元巨人のアドリス・ガルシア(レンジャーズ)がその筆頭だ。日本では在籍した巨人でキューバの超有望株として期待されたが、わずか4試合の出場で7打数無安打と全く振るわず。加えて素行不良もあり、4カ月足らずで契約解除となった。

 しかし、その後米国に渡り、レンジャーズ移籍2年目となった今季ブレークを果たす。149試合の出場で打率は.243と高くはなかったが、31本塁打(ア・リーグ20位タイ)、90打点(同24位)、16盗塁(同16位)と低迷するチームで孤軍奮闘。一時はア・リーグのホームラン王争いを大谷と演じたことで日本で話題となった。

 また、打撃だけではなく外野の守備も非常に優秀で、守備力を評価する指標のUZRは外野手としてはマイケル・テイラー(ロイヤルズ)に次ぐ、メジャー全体で堂々の2位(※UZRはFanGraphs調べ)。補殺数もトップタイの16を記録している。攻守に活躍したガルシアについてはMLBの公式サイトも新人王の候補として挙げており、来季以降の活躍も期待される。

 他には、昨シーズン“大物”としてヤクルトに加入しものの、目立った成績を残せなかったアルシデス・エスコバーがまずまずの活躍を見せた。今季は古巣のロイヤルズを経てナショナルズでメジャー復帰。ショートのレギュラーであったトレイ・ターナーが移籍したこともあり定位置を確保すると、75試合に出場して打率.288、4本塁打、28打点をマークした。昨年はNPBで104試合の出場で打率.273、1本塁打、30打点だったことを考えると、上々の数字と言えるだろう。

 守備ではUZRの指標がマイナスと、かつてゴールドグラブ賞を獲得した守備力はNPB時代同様に改善はしなかったが、日本屈指の野手である筒香嘉智(パイレーツ)や秋山翔吾(レッズ)が苦しむハイレベルなMLBでこの結果は立派と言える。すでにナショナルズと1年100万ドル(約1億1000万円)で契約を延長している。

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投手、そして監督として活躍した元助っ人は?