NTTから高額接待を受けていたデジタル相の牧島かれん氏(C)朝日新聞社
NTTから高額接待を受けていたデジタル相の牧島かれん氏(C)朝日新聞社

 そんな堀内氏は、14年の政治資金収支報告書に6万円の香典代が記載されていたことが判明。堀内氏の事務所は「本人が私費で払ったものを事務処理で誤って記載してしまった」として訂正した。また19年の政治資金収支報告書には、靖国神社に1万2000円の支払いが記載され、政治資金ではなく、私費で払うべきものだとの批判が出た。

 またデジタル相に抜擢された牧島かれん氏(44)も、7日発売の「週刊文春」で19年~20年にかけて2回、NTTの秘書室長から1人5万円のコース料理で接待を受けていたと報じられた。牧島氏は週刊文春の取材に「会食は事実」としたうえで、「(飲食費を)支払った記憶はない。政治家としてさまざまな方と意見交換を行うことは重要で、問題ない」と回答した。

 岸田内閣の船出はどうなるのか。政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう話す。

岸田首相が誇った『老壮青』のメンバーは、いずれも『政治とカネ』にルーズだった人たちばかりだったということが、組閣3日目でわかってしまった。自民党執行部の役員人事で甘利明氏を幹事長、小渕優子氏を組織運動本部長に起用したのも、『政治とカネ』問題が再燃するのがわかっていたのに、わざわざ選んだ。そんな顔ぶれになったのは安倍・菅内閣が『政治とカネ』の問題を解決せずに、中途半端にしてきたからです。岸田首相は人事でそこを正そうとしなかったわけです。内閣支持率が低い(朝日新聞の世論調査では45%)スタートとなったのは、実態は相変わらず安倍・菅政権の延長線上にあると国民に思われたからではないか。今後は『政治とカネ』の問題で収拾がつかなくなる可能性もあります」

 岸田文雄首相は自らの内閣について「新時代共創内閣」と名付けたが、政治とカネの問題で「共倒れ内閣」にならなければよいのだが……。(AERA dot.編集部・上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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