複雑性PTSDを公表した眞子さま(C)朝日新聞社
複雑性PTSDを公表した眞子さま(C)朝日新聞社

 秋篠宮家の長女・眞子さま(29)が、続いた誹謗中傷によって「複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)」を患っていることが公表された。眞子さまが具体的に何を中傷と感じたかは不明だが、ネット上には眞子さまや小室圭さんらへの批判があふれ、「正論と批判は誹謗中傷にあたらない」「どの内容を誹謗中傷と指摘しているのか」など、あくまで「意見だ」という声も多くみられる。法的には、どのような書き込みが問題となるのか。実際のコメントを例に、専門家に見解を聞いた。

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 1日、小室圭さんとの結婚を発表する会見のなかで、眞子さまの症状を説明した精神科医の秋山剛・NTT東日本関東病院品質保証室長は、「誹謗中傷と感じられる出来事が繰り返され、逃れることができないという体験をされた」と説明し、「幸福感を感じるのが難しい状態。集中困難、焦燥感、無気力といった症状もある」とした。また、「周囲の方々の温かい見守りがあれば、健康の回復は速やかに進むと考えられる」と強調した。

 これを受け、ネット上にはさまざまなコメントが書き込まれた。「下手くそな悲劇のヒロインを演じ同情を買おうとする態度には辟易する」「この状況で複雑性PTSDは医学的にあり得ないと思いますが本当に医師が診断してます?複雑性PTSDなのに明確な自己主張ができ恋愛や公務は行える…不思議ですね」などと、眞子さまの病気そのものを疑うもののほか、小室さんを指して「ヒモ男」「留学先の入学資格(法学部卒か弁護士資格所有)を満たしていないのに入学した時点で裏口入学でしかない」などというものもあった。こうしたコメントは法的に問題にならないのか。

 亡くなったプロレスラー・木村花さんへのSNSで中傷投稿に対し、花さんの母親が起こした裁判で代理人を務めている清水陽平弁護士は、「どのような書き込みが違法となるかについては非常に判断が難しいですが、名誉毀損に問われかねないコメントもあります」と話す。

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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