広島OBは「今、必要なのは厳しさと熱さを持った監督。いい選手をそろえてもそれだけでは勝てないのはここ数年の低迷で証明されている。リーグ3連覇した時は劣勢でもひっくり返せる熱が伝わってきた。もちろん技術論も大事だが、それ以前に戦う姿勢を取り戻してほしい」と注文を付ける。

 そこで名前を挙げたのが元阪神監督の金本知憲氏だ。現役時代は広島でトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を達成するなど中心選手として活躍し、阪神にFA移籍後も広い甲子園を本拠地に40本塁打をマーク。長距離砲として通算476本塁打を積み上げた。広島時代から並外れた練習量、肉体改造へのストイックな姿勢は若手の良きお手本で、監督時代は梅野隆太郎、大山悠輔、糸原健斗を主力として一本立ちさせるなど、育成手腕に定評があった。監督最終年の18年は最下位に沈んだ責任を取って辞任したが、広島では依然として人気健在だという。

「金本さんは阪神に移籍した後も広島を愛してくれていましたから。佐々岡監督は優しい反面、勝負師としてはどうかなと。作戦面でも疑問が残る采配が目立つ。首脳陣を刷新して、金本さんの下で新たなカープを作ってほしいという声は広島でも聞かれます。阪神で監督を3年間務めて色々学んだと思うし、ただ厳しいだけでなく、アメとムチを入れた指導で常勝軍団の輝きを取り戻してほしい」(広島のテレビ関係者)

 ストーブリーグは広島の監督人事にも注目が集まりそうだ。(牧忠則)