ロナウドはレアル・マドリード時代にジダンらとの超豪華メンバーで世界中のサッカーファンを魅了した(写真/gettyimages)
ロナウドはレアル・マドリード時代にジダンらとの超豪華メンバーで世界中のサッカーファンを魅了した(写真/gettyimages)

 早くも熱戦が繰り広げられている欧州サッカーの新シーズン。その中で最も注目を集めるチームの一つが、リオネル・メッシを加えたパリ・サンジェルマン(PSG)である。メッシ以外にもGKドンナルンマ、DFセルヒオ・ラモスといったビッグネームたちを加え、前線は「メッシ+ネイマール+エムバペ」の超豪華3トップが実現。その陣容は「新銀河系軍団」と言っても過言ではない。

 ここで振り返りたいのが、過去の「超豪華メンバー」のチームである。2000年代以降で最もスター選手たちを掻き集めたクラブといえば、やはりスペインのエル・ブランコ、レアル・マドリードだろう。2000年にフロレンティーノ・ペレス会長が就任し、「毎年1人ビッグネームを獲得する」と宣言。特に2001-02年の欧州CLを制覇した後の2002-03シーズン、デル・ボスケ監督の下で国内リーグを制したメンバーが攻守ともに豪華絢爛だった。GKカシージャス、DFミチェル・サルガド、イエロ、エルゲラ、ロベルト・カルロス、MFマケレレ、カンビアッソ、フィーゴ、ジダン、FWラウール、ロナウド。控えにはモリエンテス、マクマナマン、グティ……。翌シーズンにはベッカムが加わることになるが、チームバランス的にはこのシーズンが優れていた。

 イタリア勢も負けていない。特に取り上げたいのが、アンチェロッティ監督が率いた2004-05のACミランだ。国内リーグを圧勝で制した前年のチームをベースに、GKジダ、DFカフー、ネスタ、スタム、マルディーニ、MFピルロ、ガットゥーゾ、セードルフ、カカ、FWクレスポ、シェフチェンコという錚々たるメンバー。ここにルイ・コスタ、アンブロジーニ、トマソン、インザーギらも絡んだ。このシーズンは国内リーグで2位に終わり、欧州CLではリヴァプールと対戦して「イスタンブールの悲劇」を味わうことになったが、ピルロを起点に繰り出されたカウンターサッカーは多くのファンを虜にした。

 その同じシーズン、プレミアリーグを最少記録となる15失点の堅守で制したのが、モウリーニョ監督が率いたチェルシーである。そしてその翌年、国内リーグ連覇を果たした2005-06シーズンのメンバーが、より豪華だ。基本は、GKチェフ、DFパウロ・フェレイラ、テリー、ギャラス、デル・オルノ、MFマケレレ、エッシェン、ジョー・コール、ランパード、FWクレスポ、ドログバ。この他にも、リカルド・カルバーリョ、ロッベン、グジョンセンらがおり、本拠地スタンフォード・ブリッジでは18勝1分と無敵。欧州CLではロナウジーニョ擁するバルセロナに決勝トーナメント1回戦で敗れたが、振り返るに値するチームだったと言える。

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チェルーをねじ伏せたバルセロナも…