J2新潟でプレーする本間至恩 (c)朝日新聞社
J2新潟でプレーする本間至恩 (c)朝日新聞社

 9月のW杯アジア最終予選を1勝1敗で終え、不安と疑念、そして批判が高まっているサッカー日本代表・森保ジャパン。最も改善すべきは、オマーンに無得点、中国から1得点のみだった攻撃陣であることは明らかだろう。10月シリーズ(対サウジアラビア、対オーストラリア)へ向け、故障離脱中の久保建英、古橋亨梧の招集は見送られたが、Jリーグでプレーする選手の中に、今後日本代表の攻撃に変化をもたらすことのできそうな選手はいるのだろうか……。局面を変えることができる一芸に秀でた選手、日本代表に“スパイス”を加えられる選手がいるはずだ。

【写真】妻も半端ないって!日本サッカー選手の美しすぎる妻たちはこちら

 真っ先に名前が挙がるのが、J1得点ランキングトップに立つ前田大然(横浜FM)であることに異論はない。他を圧倒する爆発的なスピードは国内随一で、アジアを超越して世界レベル。試合毎のスプリント回数は常に全選手中トップで、そのスピードは守備面でも効果大。課題だったシュート技術も向上し、今季の16ゴールが、その何よりの証明である。サウジアラビア戦は同じスピードスターの伊東純也が出場停止。左右は違うが、左MFで前田を先発起用すれば相手守備陣に混乱を生じさせることができるはず。東京五輪では能力を発揮し切れなかったが、その悔しさも糧にしてA代表の救世主になれる能力は備えている。

 同じく東京五輪で不完全燃焼だった上田綺世(鹿島)も、後半戦のJリーグで調子を上げている。持ち前の動き出しの良さに加え、エレガントなポストプレーと長距離でもゴールネットに突き刺せるシュート力は魅力大。ゴールへの意識も向上し、9月26日のC大阪戦では五輪で不発だった試合途中からの出場で2得点を奪い、今季11ゴールで2年連続の2ケタ得点を達成した。現在23歳。31歳の大迫勇也に代わる最前線の核になることができれば、停滞感が漂う“大迫頼み”の攻撃から脱却し、前線に新たな“動き”が生まれるはずだ。

 まだA代表は時期尚早の声もあるが、2人の攻撃的MFのタレント性も見逃せない。一人目は、今季J1で9得点6アシストと結果を残している19歳の荒木遼太郎(鹿島)だ。細かいボールタッチからの鋭いドリブル突破、パスセンスとゴール嗅覚を持ち合わせ、ゴール前の密集状態を苦にせずに局面を打開できる。適正はセカンドトップ。不振の鎌田大地よりも、フレッシュな荒木が投入される方が試合の流れが変わるかも知れない。もう一人が、J2のドリブルキング、21歳の本間至恩(新潟)。小柄ながら、そのステップワーク、ドリブルの切れ味は抜群で、強靭なDFに臆することなく突っ込んでいくメンタルの強さもある。国際舞台でどこまで通用するかは未知数であるが、試してみる価値はある。短い時間ならば面白いのではないか。

次のページ
ベテランでも呼んでも面白そうなのは…