ミネソタ・ツインズの前田健太(Getty image)
ミネソタ・ツインズの前田健太(Getty image)

 9月1日(現地時間:以下同)に右肘靱帯(じんたい)再建手術(トミー・ジョン手術)を受けたミネソタ・ツインズ前田健太。過去にエンゼルスの大谷翔平(2018年)やパドレスのダルビッシュ有(15年)が受けた、自身の正常な腱の一部を摘出し移植するトミー・ジョン手術に加え、靭帯の周囲に「インターナル・ブレース」と呼ばれる繊維状の人工靱帯を重ね合わせるプライマリー・リペア手術も行なった。

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 この人工靭帯で補強する方法自体は以前から存在していたが、トミー・ジョン手術と合わせて行うことはまだ珍しく、日本人選手では前田が初めてとなる。また、これらの手術を行なったことによって、通常トミー・ジョン手術のみであれば復帰まで最低でも12カ月から18カ月はかかるところが、プライマリー・リペア手術によってリハビリ期間が大幅に短縮され、9カ月から12カ月程度で復帰が可能とも言われている。

 もっとも、まだ症例数が少ないため、実際にこのような期間での復帰が可能であるとは断言されておらず、前田も手術後の会見で、「最短で戻ろうという考えでやると失敗すると思う」と、慎重にリハビリを進める姿勢を示している。ツインズの地元メディアも前田の復帰を焦っておらず、万全な状態でのマウンド復帰に期待を寄せている。ツインズの地元紙『スター・トリビューン』のフィル・ミラー記者もその一人だ。同記者にインタビューを行い、上記手術を含めた今季の前田について話を聞いた。

「(今季をあえて評価するならば)10点満点中4点と言わざるを得ない状態でした。それぐらい今季は、(前田が本来持つ)基準を全て下回り、キャリアでも最悪な年でした。なにもかもが違っていて、私自身大変驚かされ、(手術を含め)全てが予想外でした」

 昨季のキャンプ前にロサンゼルス・ドジャースからツインズにトレード移籍した前田は、全60試合に短縮された昨季、11試合に登板し、6勝(リーグ4位タイ)、防御率2.70(同5位)の成績をマークした。また、一般的に、1.00未満であれば球界最高の投手と言われるWHIP(投球回あたり与四球・被安打数合計)の数値は0.75でメジャー1位。さらに、その年に最も活躍した投手に贈られるサイ・ヤング賞投票では2位になるなど、メジャーキャリアで最高の評価を受けていた。

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