夏目三久(c)朝日新聞社
夏目三久(c)朝日新聞社

 9月末で芸能界を引退する夏目三久フリーアナウンサーが、8年半にわたってキャスターを務めた日本テレビ系報道番組「真相報道 バンキシャ!」を卒業することになった。

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  夏目アナは最後のあいさつで、「私にとって『バンキシャ!』は古巣に戻って、古巣の皆さんに温かく迎え入れていただいて、本当にあっという間の8年半でした。取材に快く応じてくださった皆さま、本当にありがとうございました」と感謝の思いを述べ、「(来週からは)日曜日に家でゆっくりごはんの準備でもしながら楽しみたいと思います」と穏やかな笑みを浮かべた。

 「最後の挨拶で涙を流すことなく、笑顔で日本テレビ、スタッフや取材関係者に感謝の言葉をしっかり伝える姿が夏目さんらしかったですね。普通はキャスターが番組を卒業する際には花束を贈られるのですが、そういった演出もなかった。派手なことを好まず、控えめな性格の夏目さんが断ったんじゃないかなあと、勝手に想像力を張り巡らしていました。あんな有能なキャスターはなかなかいないですよ。一緒に仕事できなくなるのが残念ですね」(テレビ関係者)

  夏目アナはお笑いタレントの有吉弘行結婚したことを、4月に双方の所属事務所を通じて発表。その報告を公の場で初めて発表したのが同番組だった。「有吉さんと夫婦になり、この上ない喜びと幸せを感じております。これまでお仕事でご一緒させて頂いた皆さま、そしてレギュラー番組を担当させて頂いております日本テレビ、テレビ朝日、TBSの皆さまには感謝の気持でいっぱいです」と感謝の思いを語り、「誠実に仕事を向き合ったり、仲間を大事にする、そんなところにひかれたのかなと思います」と有吉について尊敬の念を口にしていた。

  夏目アナの姿は9月いっぱいで見られなくなる。だが、本人は感傷に浸ることなく、同番組最後の出演でも、自民党総裁選、新型コロナウイルスの話題などを分かりやすく取り上げた。報道に携わるメディアとしての使命を最後までまっとうする堂々とした振る舞いだった。ところが、思いがけない苦情が相次ぐことに…。地方局では番組の最後でローカルニュースに切り替わったため、夏目アナのお別れの挨拶を見られなかったのだ。

  SNS、ネット上では、「地方は地元ニュースに切り替わって見れませんでした。ずっと待っててコメント聞きたくて録音までしてたのに、この地方の扱いって 何ですか!夏目アナお疲れ様でした。大好きだから残念。寂しくなります(原文ママ)」、「最後の挨拶を楽しみに冒頭からチャンネルを合わせた方多かったと思います。しかしローカルではOAされず、そのまま挨拶も聞けず終了。今日くらいはローカル無しは配慮する事くらいすべきだったのでは?視聴率取るだけ取られ使い捨てられた感が凄いです…(原文ママ)」など憤りのコメントが殺到する事態となった。

  冒頭のテレビ関係者は「地方局は番組の最後にローカルニュースが差し込まれる。夏目アナの挨拶とタイムテーブルで重なることは、制作サイドが事前に分かっていることでしょう。夏目アナを楽しみに日曜の夕方番組を見ていた視聴者は多い。時間を少し早めにずらして挨拶すれば、このようなことにならなかった」と指摘する。

  少しの配慮で防げたトラブルだった。思わぬ事態となったが、芸能界を引退してもその活躍は色褪せない。夏目アナの幸せを祈るばかりだ。(牧忠則)