後藤達俊(新日本他)のものは真っ逆さまに落とす、まさに「殺人バックドロップ」だった。90年6月12日の福岡国際センターでは、8人タッグで対戦した技を受けた馳浩が試合後に心臓停止に追い込まれた。そしてスティーブ・ウィリアムス(全日本他)や川田利明(全日本他)も、相手選手の命を心配してしまうほどの危険な角度で投げていた。その他にも小川良成(ノア他)、諏訪魔(全日本)、永田裕志(新日本)などバックドロップの名手を挙げれば国内外キリがない。

 テーズ式、捻り式、抱え込み式、旋回式……。

 バックドロップにはレスラーの数だけ種類があり試合状況によって形も変わる。様々な個性を持っているからプロレスの代表技になったのだろう。今後もバックドロップは多くの名シーンを作り出し、語り継がれていくことになるはずだ。