竹内結子さん(C)朝日新聞社
竹内結子さん(C)朝日新聞社


 9月27日、女優の竹内結子さん(享年40)が亡くなってから1周忌をむかえた。竹内さんは多くのドラマや映画に出演したが、その中でも、30歳のときに出演したドラマ「ストロベリーナイト」(フジテレビ系)は、その後の代表作となった。同作品の佐藤祐市監督は、竹内さんとぶつかり合いながら女性刑事の「姫川玲子」をつくった日々を今でも鮮明に覚えている。佐藤監督が竹内結子さんとの思い出を語ってくれた。

【写真】20年近く前のボーイッシュな竹内結子さん。入手困難なグラビア表紙はこちら

*  *  *
「結子さんが亡くなったばかりの頃は、私自身、本当にショックを受けていました。一緒に仕事をした役者さんやスタッフ全員から愛されていたので、みんな本当に辛かったと思います。その時も、マスコミからコメントがほしいと言われたんですが、結子さんに対してはいろんな思いがありすぎて、『ちょっと勘弁してください』とお断りしていました」

 竹内さんは19年に再婚した夫で俳優の中林大樹(36)と、当時14歳の長男、生後8カ月の次男を残し、亡くなった。突然の訃報には日本中が衝撃を受け、悲しみに包まれた。

「亡くなってから1年たった今でも、結子さんのことを思い出します。一緒に撮影現場でドラマ制作に明け暮れた苦しみや喜びは、忘れたくないし、かけがえのない思い出です。まだ心の整理はついたわけではないですが、やっと振り返れるようにはなりました」

 佐藤監督と竹内さんは2010年からドラマ「ストロベリーナイト」シリーズの監督と主演女優として仕事を共にし、2013年の映画化でもタッグを組んだ。竹内さんは初の女性刑事役への挑戦がハマり、彼女が演じた「姫川玲子」は当たり役となった。ドラマは大ヒットしてシリーズ化され、映画の興行収入は21億円を超えた。

「最初は2010年、2時間10分のスペシャルドラマ『ストロベリーナイトSP』をつくったんです。それが評判が良くてね。11年夏には3カ月かけてドラマ11話分を撮った。それが翌年1月から連続ドラマとして放送されました。結子さんとは撮影現場でぶつかり合ったこともあります。結子さんは、わからないことはわからないと言うし、できることはできる、できないことはできないとハッキリと言う。逆に、私が『今の演技良かったよ』ってほめると、めちゃめちゃ喜ぶ。感情表現がストレートな女優さんなんです」

著者プロフィールを見る
上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

上田耕司の記事一覧はこちら
次のページ
「これまでの役者としての自分を壊したい」