大谷翔平のとびっきりの「笑顔」が見たい(GettyImages)

「メジャーに限らず、日本でも昔は主力がぶつけられたら、こちらも相手の主力打者に当てる報復はありました。ただ、大谷の場合は体の近くに来た2球目の危険な球で終わりにするべきです。3、4球目もぶつけにくるのは異常です。アストロズが大谷と勝負をしないことについても、『脅威の存在と認めている』からという人もいますが、僕はそう思わない。本塁打王を獲らせたくないんです。メジャーはマイノリティーのアジア人選手に対する差別意識が潜在的にあると思います」

 実力主義から程遠いタイトル争いだが、凄みを感じるのが大谷の態度だ。ホワイトソックス戦で故意死球を受けた際も、一塁の塁上で相手選手と談笑し、アストロズ戦の四球攻めに対しても苦笑いを浮かべることはあったが、不満を表に出すことはなくプレーしている。

「アストロズ戦で大谷を申告敬遠した際に球場の観客は大ブーイングしました。フェアな戦いを望んでいるファンは多い。敬遠や勝負を避けた外角攻めを少なくするためにも、今後は大谷を1番打者で起用するのは一つの案と思います。初回の先頭打者から敬遠するようだと、さすがに相手球団の姿勢が問題視される。ストライクゾーンで勝負してもらえるなら、大谷は打ちます」(スポーツ紙記者)

 今までも従来の固定観念を覆す活躍を見せ続けてきた。逆転での本塁打王獲得はなるか。(牧忠則)

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