卓上に置かれている「とび辛スパイス」は、少量ずつ入れるのがおすすめ(画像=壱番屋提供)
卓上に置かれている「とび辛スパイス」は、少量ずつ入れるのがおすすめ(画像=壱番屋提供)

 ネットで調べると、同じように疑問を抱いている人はいるようだ。この“謎”を解決しようとココイチを運営する「壱番屋」の広報担当者に聞くと、まずは、辛さ増しカレーの作り方についてこんな答えが返ってきた。

「有料の辛さ増しは、とび辛スパイスと専用のオイルを合わせて、辛みのもとを作ります。それを、カレーソースと一緒に煮込んでいます」

 え、同じものなの? 卓上にある「とび辛スパイス」を使っていることにちょっと驚く。オイルと合わせて煮込むと、何が変わるのか。

「カレーソースと一緒に煮込むことで、辛さがソース全体に広がり、ソースと辛さが一体化します。とび辛スパイスを入れるだけでは、この一体感は生み出せません。こうして、調理の工程でひと手間を追加していることから、お客さまから代金をいただいております」(同)

 なるほど。それでは、卓上のスパイスはなんのために存在するのか。

「卓上のとび辛スパイスは辛さの微調整用で、『もう少し辛くしたい』というお客さまのために置いています。粉末を振りかけているだけですので、入れすぎると粉っぽい食感が残ってしまいます。また、ソース全体の辛さを均一にすることも難しいです」

 この点は分かる。多めに入れた時はざらつき感が確かにある。辛さも舌に直撃する“痛み”のように感じることがあったが、粉末が一点に集まっていたのかもしれない。刺激がとにかく好きな辛党は気にせずたくさん入れるのかもしれないが、辛味のバランスの悪さが気になる人もいるのだろう。

「少しずつ辛さを変えながら、お好みのポイントを探ってほしいと考えております。有料の1辛はもの足りず、2辛だと少し辛いと思われた場合は、1辛にしてスパイスで微調整するといった具合で楽しんでいただけたらと思います。また、とび辛はサラダにもとても合いますよ」(同)

“謎”は解けた。あとは自分の舌がそれをしっかり判別できるかどうか……。でも、違いをちゃんと理解して食べてみたら、また感じ方が変わるかもしれない。

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過去には「内臓破裂」と表記の激辛も