ドラフト1位指名が確実視される市和歌山・小園健太 (c)朝日新聞社
ドラフト1位指名が確実視される市和歌山・小園健太 (c)朝日新聞社

 プロ野球ドラフト会議まであと約1カ月(10月11日開催)となり、高校生と大学生のプロ志望届提出者も発表される時期となった。各球団の最優先すべき補強ポイントはどこなのか。またそれに見合う選手は誰になるのか。真っ先に指名すべき1位指名候補を探ってみたいと思う。今回はパ・リーグの6球団だ。

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・日本ハム:小園健太(市和歌山・投手)

 今シーズンは開幕直後から低迷が続き、3年連続Bクラスが濃厚となっている日本ハム。得点力不足と中田翔が抜けたことで野手の弱さに目が向きがちだが、野村佑希、清宮幸太郎、万波中正など若手に楽しみな大砲候補がいるのは大きな救いだ。逆に投手陣はルーキーの伊藤大海より下の世代に若手の有望株が少ないだけに、まずはエース候補となる投手を狙いたい。今年は高校生投手に有力候補が多いが、その中でも狙いたいのが小園だ。ストレートも変化球も抜群のコントロールを誇り、投球術も高校生とは思えない。体格的なスケールもあり、まだまだスピードアップしそうな雰囲気もある。期待されながら二軍暮らしが続いている吉田輝星に刺激を与えるという意味でもプラスは大きいだろう。

・西武:隅田知一郎(西日本工大・投手)

 野手の世代交代も課題ではあるが、昨年のドラフトで多く有望株を指名してだいぶ将来が明るくなった。一方の投手陣は右の先発は揃っているものの左投手不足が深刻で、先発を務めることができるサウスポーが最優先事項となる。そこで推したいのが隅田だ。最速150キロのスピードを誇り、コントロールも非常に高レベルで試合を作る能力の高さは大学球界でも屈指。スライダー、チェンジアップなど変化球のレベルも高く、6月に行われた全日本大学野球選手権では1回戦で敗れたものの1失点完投、14奪三振と圧巻の投球を見せた。西武は富士大出身の山川穂高、外崎修汰など地方リーグ出身の選手が多く、隅田にとっても馴染みやすいチーム環境と言えそうだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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ソフトバンクは“千賀の後継者”を指名すべし