松本人志(左)と太田光(C)朝日新聞社
松本人志(左)と太田光(C)朝日新聞社

 テレビの世界では「大物タレント同士はなかなか共演しない」、すなわち「両雄並び立たず」という原則がある。基本的に、超一流の売れっ子タレントは自分がMCを務めるレギュラー番組にしか出演しない。

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 そのため、超一流タレントが共演する機会はめったにない。改編期に行われる大型特番などでたまに大物タレントの共演があると、それが大きく注目を集めたりする。

 ここで言いたいのは、大物タレント同士がテレビでなかなか共演しないからといって、すぐに仲が悪いのではないかなどと考えるのは早計である、ということだ。そもそも冠番組を持っているようなレベルのタレントが、ほかの人の番組に顔を出すこと自体が珍しいだけなのだ。

 だが、極端に共演の機会が少ない場合には、そこに「因縁」があるのではないかとささやかれることがある。ダウンタウンと爆笑問題も、長年にわたってそのような因縁が噂される関係だった。

 8月28日放送の『FNSラフ&ミュージック ~歌と笑いの祭典~』(フジテレビ)では、松本人志と爆笑問題の2人が共演を果たした。彼らが共演するのは、2014年3月31日放送の『笑っていいとも! グランドフィナーレ感謝の超特大号』(フジテレビ)以来となる。

 ただ、そのときには、タモリ、明石家さんま、とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、爆笑問題、ナインティナインというレジェンド級の芸人7組が生放送の同じ舞台に立つという異常事態だったため、ダウンタウンと爆笑問題の間にはほとんど目に見えるやり取りはなかった。

 今回の『FNSラフ&ミュージック』では、爆笑問題は漫才を披露した後、松本らが待つスタジオに姿を現した。爆笑問題の太田光は勢いよく松本に絡んでいき、過去の因縁のこともネタにして自由奔放なトークを展開した。松本は「できることなら絡みたくなかった」と苦い表情を浮かべていた。

 彼らの間で過去に何があったのか? その正確な情報は表に出ているわけではない。ググればすぐに出てくる程度の噂話はあるが、真偽は定かではない。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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ダウンタウン、ウンナン、とんねるず、爆笑は緊張関係