巨人の中田翔(C)朝日新聞社
巨人の中田翔(C)朝日新聞社

 各球団ではなく、NPBで罰則を決めるべきではないか――。コロナ禍で定められた行動様式のルールを選手が破った場合、その処分は球団に委ねられていることについて疑問の声が上がっている。

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 大きな反響を呼んだのが、西武が25日に発表した内容だった。ドラフト2位左腕・佐々木健が新型コロナウイルス感染拡大防止に関する球団のルールを破ったため、同日から1カ月間、対外試合出場禁止の処分を受けた。報道によると、球団は感染リスクの高い行動(同居家族以外との会食など)を禁止している。佐々木は同居家族以外の知人女性と長時間面会し、義務付けられた行動記録の未提出と記載漏れもあったという。ルール違反は7月と8月の2回で、23日に佐々木から報告があり、球団が詳細を確認したという。

「知人女性と長時間の面会がルールを逸脱した行為とみなされた。ただ行動記録の未提出と記載漏れについても球団は問題視したのだと思います。先日、山川穂高と森友哉が『特例2021』で登録抹消することが発表されました。山川が個人契約を結ぶマネージャーが新型コロナウイルス陽性判定を受け、山川、森が濃厚接触者の疑いがあるとして対応した。球団からすれば、行動記録を提出せずに出歩いてコロナに感染して、球団内でクラスターになるのが最も恐れる事態です。佐々木に対する処分に『厳しいのではないか』という声が上がっていますが、球団の判断は正しいと思います」(スポーツ紙記者)

 確かに、佐々木に対する1カ月間の対外試合出場禁止の処分については、同情的な見方も少なくない。一般社会で行動記録を提出せずに家族以外の人間と会食をして処分を下されることは考えづらい。ただ、ペナントレースを最後まで消化できるように12球団はコロナ感染対策を徹底している。若手は大人数がいる寮で生活を送っているため、球団も選手の行動にデリケートになる。1人でもルールを破ったらクラスターが発生する恐れがあり、努力が台無しになってしまうからだ。

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