例えばリーダーで言うと「自分の意見でみんなを引っ張る係」というイメージもありますが、そうではなくてメンバーの意見を「引き出す係」ととらえると心が楽になります。

 私が吹奏楽部でパートリーダーを務めていた頃、「全部自分でやらないといけない」「しっかり指示を出さないといけない」と自分を追い込みすぎて、つらくなったことがあります。「正解」しか言ってはいけないと思っていたのです。

 ですが、もし今、またリーダーを任されるとしたら

「どうやったらみんなでもっとうまくなれると思う?」
「そのためには何が必要?」

 と、メンバーそれぞれに質問をしていく役割に徹します。それぞれが自分で「答えを見つける」のを手伝うだけにします。

 これは、コーチングやカウンセリングについて学んでみて腑に落ちたことです。

 誰しもが、「人から言われたこと」よりも「自分で考えたこと、選んだこと」の方が熱意を持って行動できます。ですので、結果的にリーダーが楽になるのです。

 HSPさんは共感力、傾聴力、質問力があるので、これからの時代のリーダーになれる才能を十分に持っています。

「カリスマ的リーダー」も格好いいものですが、「寄り添い型リーダー」として存在することもできるのです。

 とはいえ、あまりに大勢のチームをまとめるとなると、意見が多すぎて疲れてしまうこともあります。「嫌だな」という気持ちが大きければ、リーダーになることを「はっきり断る」という勇気も大切です。

■一言でも発言できたらOK!

「大勢の会議で発言しないといけない」というときはどうしたらいいのでしょうか。

 そのときには、

「一言でも発言できたらOK」
「誰かの発言に対して1つ質問をしよう」

 など、小さなルールを決めて参加してみましょう。

 そして、決めたルールを達成できたら、「お、すごいじゃん」と認めていくことで自分を好きになり自信がついていきます。

 生きづらくなっているHSPさんの特徴として、何か少しでもできないことがあると「自分はダメだ」と0点をつけてしまう、ということが挙げられます。

 日々の小さな変化が積み重なってこそ、大きな変化が訪れます。

 ほんの少しでも、「挑戦しよう」「改善しよう」と思えること自体が、本当はすごいことなのです。