プロ入りも注目される池田高校のエース篠原颯斗 (c)朝日新聞社
プロ入りも注目される池田高校のエース篠原颯斗 (c)朝日新聞社

 徳島県立池田高校。

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 かつて甲子園で旋風を巻き起こした古豪は近年、全国の舞台で姿を見せなくなっていた。しかしここへ来て復活への道を着実に歩んでおり、今夏もあと一歩のところまで歩みを進めている。現在の池高には明るい材料が溢れており、近い将来の甲子園凱旋の可能性は高い。

 今年は甲子園出場のチャンスだった。プロ注目右腕・篠原颯斗を擁し、2回戦では優勝候補筆頭の鳴門を撃破。準決勝では徳島県の私立校として初出場を目指す生光学園との対決が注目を浴びた。かつての勇姿を知るオールドファンを中心に池高への期待は高まったが4-8で敗戦と悔しい結果に終わった。

「徳島県は秋、春と優勝していた鳴門がトップランク。そこに徳島商、鳴門渦潮、阿南光、生光学園が続いて池高が食い込んでいく形だった。大会前に井上力監督も『走攻守のバランスが取れているので手応えはある』ということだった。2回戦の鳴門戦に勝ったことで力強さを感じたし勢いもついた。しかしこの試合でエース篠原が力を出し尽くしたことの代償も大きかった。次戦は温存したものの疲労が抜けず準決勝では本来の実力が出せなかった」(徳島新聞 編集局・運動部 木村恭明記者)

 最後に夏の甲子園に出場したのは92年だった。準々決勝で拓大紅陵(千葉)に1-2で敗戦して以降は遠ざかっている。(ちなみに春は14年に出場し2回戦で豊川(愛知)に1-4で敗退)。今夏、約30年ぶりとなる全国大会出場の可能性は十二分にあったが壁は厚かった。

「準決勝は互角だったが流れをつかみきれなかった。勝ち切るチームはそういう部分がしっかりしている。またそういう試合を重ねて行くことが伝統になる。黄金期から時間が経ち、現在は新生・池田ができつつある。今夏のような悔しさも蓄積して井上野球ができあがっているところだと思います。甲子園の近くまでは来ている。歯痒い思いが続きますが、必ずその時は来ると信じています」(真鍋達男氏)

 真鍋氏は82年夏の全国優勝時、地方大会までベンチ入りしていた池高野球部OB。現在は学校からほど近い場所でスポーツ店マナベスポーツを営んでおり、池高野球部のユニフォームなどを納品している。今回の敗戦を冷静に受け止めて解説してくれた。

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厳しい環境下でチームを強化