湘南から古巣の大分に移籍した梅崎司※写真は湘南時代 (c)朝日新聞社
湘南から古巣の大分に移籍した梅崎司※写真は湘南時代 (c)朝日新聞社

 東京五輪が終了し、再びJリーグの舞台に熱狂が戻ってきた。8月16日時点で全38節中24節を終了。残り14節の中で、より一層“厳しさ”を増すのが「下位4チームがJ2自動降格」というJ1残留争いである。その渦中にあるチームは、約1カ月に及んだ中断期間で巻き返しへ向けた体勢を整えることができたのか。再開後の戦いから、その“気配”を探りたい。

 変化を印象付けているのが、最下位に沈む横浜FCだ。中断前までの22試合を勝点11で終えたが、再開後2試合を1勝1分の好スタートを切り、勝点15(3勝6分15敗、得失点差-35)とした。特に8月9日の名古屋戦ではチーム全員のハードワークから連動的な攻撃を見せて2対0の完勝。攻撃では故障から復帰した松尾佑介が切れ味鋭い動きを見せ、守備ではJデビュー戦となったドイツ人GKブローダーセンが好セーブを連発した。続く8月14日の仙台戦は0対0の引き分けに終わったが、中断前最後の広島戦を含めて3試合連続のクリーンシートは今後へ向けて大きなプラス材料。降格圏脱出の16位まではまだ勝点8差あるとは言え、一時のどん底から抜け出し、希望の光が見えてきている。

 19位の大分は、7月10日の浦和戦に勝利して中断期間を迎えたが、再開後は2連敗スタート。川崎、横浜FMと上位2強が相手だったとは言え、7月27日に行われた延期分のG大阪戦も含めると3連敗となり、勝点16(4勝4分16敗、得失点差-24)で最下位と勝点1差という状況だ。最大の課題はリーグワーストの15得点という攻撃陣。川崎戦では、ボール支配率で「51%」対「49%」と上回りながらシュート数「3本」対「16本」で得点の匂いを一切感じず、横浜FM戦ではボール支配率も「34%」対「66%」と圧倒された上で今季ワーストの大量5失点。今後、FW呉屋大翔、MF梅崎司、MF増山朝陽の今夏の途中加入組が起爆剤になりたいが、チームとしての流れは良くない。就任6年目の片野坂知宏監督の下、早急に自分たちのサッカーに対する自信を取り戻す必要がある。

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途中加入の助っ人もカギに