今後、同じような悪質動画があっても、裁判費用を考えた場合、泣き寝入りするしかない被害者が出てくるかもしれない。だが、村松弁護士は厳しく指摘する。

「街中で、女性を『AVに出ていた人や!』などと誹謗中傷し、びっくりしている様子をYouTubeにあげるなどの行為は、同じ女性として憤りを感じずにはいられません。今回の件も、拡散のされ方や、女性の顔の映り方によっては、もっと被害が大きくなったと思います。やり過ぎた場合、高額の賠償責任を負う可能性があります 。また、こうした悪質な行為を何回も繰り返した場合は、より重い刑事罰を受けることもあるでしょう」

 騒動を起こしたYouTuberの耳に届くだろうか。(AERAdot.編集部・國府田英之)

著者プロフィールを見る
國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

國府田英之の記事一覧はこちら