「胃など内臓からも覚せい剤の反応がありました。数グラムだから、鼻から取り込むのは無理。口から飲まされたのだろう。遺体の解剖から、一気に数グラムの覚せい剤を、飲んで急性的に症状がおかしくなり、死に至ったとみられる。もし少しずつ覚せい剤を飲んでいたら、肝臓などで分解され、死に至るほどの中毒症状はなかったはずだ。覚せい剤は非常に苦く、とてもそのまま口にできるものではない。野崎さんの好きなビールに入れて飲ませるようなことも無理だ」(前出の捜査関係者)

 取材班が周辺を取材したところ、和歌山県警は野崎さんの親族や家政婦、従業員らに、「幸助さんがどんな食べ物が好きか、嫌いかとか、醤油をよくかけるか」など、細かく嗜好を聞いていたことがわかった。

 その中で注目されるのが、野崎さんが日頃、健康のために愛飲していた栄養ドリンクの存在だ。

 50歳代で脳梗塞を発症して以降、定期的に東京の有名病院で検査を受けていた野崎さんは健康のためと毎日、栄養ドリンクを飲んでいたという。

「野崎さんは高齢ですから、一気に食べたり、飲んだりしない。唯一、一気に飲むのが栄養ドリンク。味が濃い栄養ドリンクなら、一気に飲んだ可能性がある」(前出の捜査関係者)

 野崎さんの前出の親族はこう話す。

「幸助の寝室の捜索は、徹底的にやっていた。小さなゴミや紙くずまで、何時間も調べていた。県警は幸助の親族に何度も覚せい剤のことを聞いていった」

 早貴容疑者の逮捕で事件の全貌が明かされる日は近い。

(AERAdot.取材班)