熾烈なホームラン王争いを繰り広げているゲレーロJr.(左)と大谷翔平(GETTY Images)
熾烈なホームラン王争いを繰り広げているゲレーロJr.(左)と大谷翔平(GETTY Images)

 エンゼルス・大谷翔平の打撃が良くない。8月2日(現地時間:以下同)には2カ月連続となる月間MVP(7月度)を獲得するほどの活躍を見せていたが、8月に入ってから放った本塁打はまだ0本。ヒットも8月3日の二塁打を含むマルチ安打のみで、打率は.100(8月9日現在)と低迷している。

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 現地メディアは、大谷がスランプに陥っていることを心配し始めている。7月28日の本拠地でのロッキーズ戦で負傷した右手親指の状態が原因ではないかと推察する声もあるが、その影響は少ないだろう。なぜなら、大谷は8月4日には敵地でのレンジャース戦に2番投手として登板し、6回4安打1失点の好投で今季6勝目を挙げているからだ。この試合の大谷は、前述の負傷の影響を一切感じさせない圧巻の投球であった。

 では、大谷のこのスランプの原因は何か。現地メディアは疲労の蓄積ではないかと予想している。ご存じの通り、今季大谷はほぼ全試合に出場している。投手として出場した翌日には「2番・指名打者」としてスタメンに名を連ねることも、今季ではもう当たり前となっている。

 シーズン序盤にはこの起用法を批判する声もあった。エンゼルスの地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』のマイク・ディジョバンナ記者も、シーズン序盤に行った取材の際、「(投打での積極的な起用は)肉体的負担が大きすぎ、今のままでは夏頃には故障する可能性もあります」と危惧していた。同記者は気温の上昇による体調への影響を懸念してこのようなコメントをしたのだが、その予想に近い状況になってきている。そんな大谷に対し、エンゼルスのマドン監督も8月5日の試合後の会見で、「少し疲れが関係している可能性もある」と心配を寄せたほどだ。

 とはいえ、エンゼルスの主力選手が相次いで故障する中、投打での出場、オールスターやホームランダービーへの出場など、チームで一番の働きを見せている大谷が抜けることはチームにとっても非常に悩ましいことだろう。

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