五輪での活躍とともに発言でも注目を浴びた水谷隼 (c)朝日新聞社
五輪での活躍とともに発言でも注目を浴びた水谷隼 (c)朝日新聞社

 コロナ禍での開催という難題を突きつけられた中、連日に渡るメダルラッシュとなった東京五輪。無観客開催によってテレビで観戦する日本人が多かったが、そこで生まれたのが、印象深い「言葉」の数々である。

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 大会初日の7月24日、多くの日本人が驚いたのが、体操・内村航平の“落下”だった。4大会連続出場で個人総合2連覇のレジェンドは今大会、鉄棒の1種目に絞って出場しながらも離れ技を失敗して予選落ち。代表選考を争った米倉英信に向けて、「土下座して謝りたい」と謝罪するとともに、「僕はたぶんもう主役じゃない」と胸中を吐露。その姿に栄枯盛衰を感じずにはいられなかった。

 その翌日25日は柔道界が沸いた。男子66キロ級の阿部一二三、女子52キロ級の阿部詩のきょうだいが揃って金メダルを獲得。ひと足先に優勝した妹・詩が、「お兄ちゃんが今からなんで、まだ気が抜けない」と語っていた姿も印象的だったが、その後、2人揃ってのインタビューで「2人で最高に輝けた1日だった」との言葉に多くの日本人が拍手を送った。

 そして、数々の“新語”が生まれたのがスケートボードだ。7月26日のスケートボードの女子ストリート決勝で13歳の西矢椛が金メダルを獲得。最後の技を決めた際、実況を担当した倉田大誠アナウンサーが「決まったー! 13歳、真夏の大冒険!」と叫び、このフレーズが話題となり、Twitterでもトレンド入り。

 さらに終了直後の優勝インタビューで、競技の合間に銅メダルの中山楓奈と「何の話をしていたのか?」と問われると、西矢が「えっと、ラスカルの話をしてました」と返答。これには、アニメ「あらいぐまラスカル」の制作会社が素早く反応し、公式Twitterで祝福のイラスト&コメントをアップ。さらに競技の解説を務めたプロスケートボーダー・瀬尻稜さんの自由奔放な解説も好評を博し、「鬼ヤバい」、「ビッタビタハメてきた」、そして「ゴン攻め」と数々のパワーワードが話題となった。

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ボクシング入江聖奈のコメントも話題に