女子バスケットボール日本代表が決勝進出の快挙(写真/gettyimages)
女子バスケットボール日本代表が決勝進出の快挙(写真/gettyimages)
アシストを量産した町田瑠唯選手(c)朝日新聞社
アシストを量産した町田瑠唯選手(c)朝日新聞社

 東京五輪では、男子バスケットボールの代表チームが“史上最強”と呼ばれ、注目を集めたが3戦全敗に終わった。その傍ら躍進したのが女子代表チームだ。準々決勝でベルギーに劇的勝利、そして準決勝ではフランスを87-71で退け、8日にアメリカと金メダルをかけて戦うこととなった。

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「あきらめたらそこで試合終了ですよ」(漫画「スラムダンク」安西光義・先生)

 バスケやスポーツ好きのみならず、漫画スラムダンクの安西先生の名言を聞いたことがある人は多いはずだ。神奈川・湘北高を舞台にしたバスケ漫画は国内のみならず世界中にファンがいる。女子代表の戦いは作中のチーム同様「あきらめない」姿勢が目立つ。

 8月4日準々決勝のベルギー戦(さいたまスーパーアリーナ)では、第4クオーター残り16秒、林咲希(ENEOS)が3ポイントシュートを決め最大13点あった得点差を逆転、そのまま86-85で逃げ切った。これで女子日本代表の準決勝進出が決定し、五輪での過去最高順位を確定させると、準決勝では打って変わってフランス相手に快勝を収め、決勝進出の快挙を成し遂げた。※これまでは76年モントリオール大会の5位(当時は6カ国総当たり)が最高。

「本当にうれしい。五輪前は八村塁、渡邊雄太というNBA選手が参加する男子代表に注目が集まっていた。しかし結果が出る可能性は女子の方が高かった。歯車が噛み合えば上位進出の可能性はあった。でも実際に結果が出たことについては、やはり驚きですね。(準々決勝の)林の3ポイントはスラムダンクみたいでした」(NBAに詳しい在米スポーツライター)

 FIBA(国際バスケットボール連盟)の世界ランキング10位の女子代表は、前回リオデジャネイロ五輪でベスト8。W杯には13回出場し、アジア選手権5回優勝など、同42位の男子代表より可能性を感じさせていた。予選リーグではフランス(世界ランク5位)に74-70で勝利。米国(同1位)には69-86と敗れたが、ナイジェリア(同17位)を102-83と圧倒。その後のベルギー(同6位)、フランスを撃破しての決勝進出は「あっぱれ」としか形容のしようがない。

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“逆風”も多かった日本女子バスケ