これはオリンピック選手だけではなく、オリンピック大会関係者、そして我々の全てへのメッセージでありましょう。

 前回、東京オリンピックが開催されたのは1964年でした。当時の開催に向けて国立代々木競技場が丹下健三の画期的な設計で建てられたときの日本社会は、まさに「青天を衝け!」という機運が当たり前の時代でした。

 今の日本は、どうなんでしょう。コロナ禍による重い雲がのしかかって開催されたオリンピックでした。

 ただ、雲の上には青天が変わらず広がっています。あの時でも、今でも同じです。その青天を見上げ、衝ける気持ちを持つことは、我々次第です。コロナ、経済、政治とは関係なく。

 渋沢栄一は唱えました。「世の中の事はすべて心の持ちよう一つでどうにでもなる」(「渋沢栄一 訓言集」)。さあ、勝負は、これからですね。(渋沢健)

◆しぶさわ・けん シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役、コモンズ投信株式会社取締役会長。経済同友会幹事、UNDP SDG Impact 企画運営委員会委員、東京大学総長室アドバイザー、成蹊大学客員教授、等。渋沢栄一の玄孫。幼少期から大学卒業まで米国育ち、40歳に独立したときに栄一の思想と出会う。近著は「SDGs投資」(朝日新聞出版)

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渋沢健 シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役、コモンズ投信株式会社取締役会長。経済同友会幹事、UNDP SDG Impact 企画運営委員会委員、等。渋沢栄一の玄孫。幼少期から大学卒業まで米国育ち、40歳に独立したときに栄一の思想と出会う。

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