サッカー日本代表の選手たち(c)朝日新聞社
サッカー日本代表の選手たち(c)朝日新聞社

 男子サッカー3位決定戦の試合前日となる5日、急きょ試合開始時刻が変更になるという異例の判断が下された。日本とメキシコが銅メダルをかけて闘う大一番とあって注目度の高い試合だ。しかし、キックオフが20時から18時へと2時間の前倒しとなり、多くのサラリーマンは見られなくなる事態に。当然ながら、不満の声が噴出している。サッカー界のレジェンドに直撃すると、2時間の前倒しにより「暑さ」を心配する声も聞かれた。

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 組織委員会が発表したのは、試合前日となる5日夜。土壇場での変更は異例のことだ。組織委は変更の理由について、サッカー女子決勝の開始時刻を6日午前11時から午後9時に変更したことにより、「試合時間の重複を避けるため」だとする。だが、2つの試合は別の会場で行うため、重複しても問題ないのではないかという疑問が残る。テレビ放映やスポンサーを考慮しての判断だったのだろうか。

 サッカー女子決勝の時間変更は猛暑の影響を考慮してのこと。アスリート・ファーストである以上、この変更には納得がいく。だが、その“余波”で男子サッカーは18時開始。まだまだ暑さの残る時間に前倒しになったことは、こうした判断と矛盾するようにも思える。

 メダルがかかった注目度の高い試合ゆえに、前倒しにより「見られなくなった」などのサラリーマンと思しき人たちからの不満の声が挙がる。U-24日本代表の公式アカウントが時間変更をツイートすると、「ショック半端ないって」「前日に変更なんて酷すぎる」といったリプライが400以上寄せられた。

 試合を見られなくなったという江戸川区の会社員の26歳男性は「家に着くのがちょうど20時くらいで、家族と食事しながら見るのにちょうどいいと思っていたのに……」と嘆き、こう続ける。

「(決勝トーナメントの)これまでの2試合は、紙一重の攻防が続いてハラハラして、点が入らなかったけれど楽しめた。今回も、映画のようなハラハラを味わいたかった。ニュース映像や録画では、そういう感覚は味わえない」

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